2016年2月8日月曜日

デュフロ、エコロジー共同議長 仏政府の「国籍剥奪法」をヴィシー政権と比較 

(パリ=飛田正夫2016/02/08 6:20日本標準時)6日のフランス議会で発言したセシル・デュフロ(Cécile Duflot)ヨーロッパ・エコロジー・緑の党(EELV)共同議長はマニュエル・バルツ仏首相の推進する「国籍剥奪法」修正に関して第二次世界大戦中の傀儡政権ヴィシー体制と比較して「不必要であり」「危険である」と発言した。そのために「国籍剥奪法」支持の右派議員からデュフロ議員を揶揄する声が上がった。バルツ首相はデュフロ議員の発言は当たらないとして、「ヴィシー政権は共和国ではない」のだとその体制の違いを強調していた。しかし「国籍剥奪法」という政策を強く打ち出してゆくとその対象になるフランス人以外の外国人や移民やユダヤ人やロマ人や同性愛者などのマイノリティを標的にするファシズムに落ち込んでゆく危険性はある。セシル・デュフロ(Cécile Duflot)パリ議員はラジオ・テレビ・新聞社共催番組グランジュリー(Grand Jury)に出演して、「言葉だけでなく、それは自分の考えを正しく表現したものである。自分はこの言葉を全部保持しる」と反論して語っている。元法務大臣でフランスの死刑廃止を初めて実現させたロベール・バダンテール(Robert Badinter)氏はルモンド紙で「私もまったく同じだ」「私はヴィシーを引かないが、国籍剥奪法の歴史を思いださせた」とデュフロ議員の話しを価値付けた。

左派は大きく分裂しているが、右派もまた「共和党」(LC)内部の重鎮である党№2のナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)を初めとしてマリトン議員などがサルコジ前大統領の喜ぶ「国籍剥奪法」は危険だとして反対している。

2015年にEELVを脱退したフランソワ・ルギィ議員はデュフロはバルツに謝罪すべきだといっている。マリソール・トゥレーヌ健康大臣は彼女の言葉は言い過ぎだったと指摘している。右派のニース市長で今回社会党など左派の支持でペンの極右派系国民戦線(FN)に勝つことができ、地方議会議員選挙に当選できたクリスチャン・エストロジィ氏は「共和国の大統領と首相をヴィシー政権と比較して見せるデゥフロ婦人の話は全く受け入れることができない」とフランス国営テレビ3チャンネルに出演して語っている。

【参考記事】
http://www.francetvinfo.fr/politique/debat-sur-la-decheance-de-nationalite/reference-de-cecile-duflot-au-regime-de-vichy-la-polemique-en-trois-actes_1304042.html


http://www.20minutes.fr/politique/1781687-20160207-decheance-nationalite-cecile-duflot-maintient-propos-vichy-accuse-manuel-valls-falsifier