2011年5月6日金曜日

「成長ホルモン」で120人死亡に パリ控訴院裁判所は仏パスツール研究所元所長らを無罪放免

2011年5月5日、1980年代に成長ホルモンの使用で120人の子供がクロイツフェルト・ヤコブ病に感染死亡したとされるパリ控訴院裁判所は、死亡との因果関係がないものをフランスでは裁かない、成長ホルモンには過失はないとしてホルモン製造者のパスツール研究所元所長フェルナンド・ドラィ氏とエリザベス・ミュニエー小児科医に対し無罪放免の判決をだした。原告側のフランシス・スズピネ弁護士は「裁判には非常に強い国の介入があり国家の特権がそこにあった」と(テレグラム.com)では報道している。

成長ホルモン犠牲者協会(AVHC)のジャンヌ・ゴエリアン会長は1994年に息子を亡くして以来この事件との闘いを開始してきた。ゴエリアンさんは「今回、裁判の歴史に汚点を残した」と残念がっている。しかし最後まで諦めないと決意はかたい。

別の被害者協会(MCJHCC)のモニック・レテルムさんは「デモクラスの剣が、長年にわたり毒の成長ホルモン注射で治療されてきた、総ての若者の頭上に置かれている」とのべている。

2009年1月の第一審判決では検察官の意見とは逆にドラィ氏は3年、ミュニエー小児科医は6ヶ月の執行猶予付きの禁固刑をそれぞれ判決されていた。スズピネ弁護士はこの裁判の政治性を指摘している。


(参考記事)