もちろんワタラ派を支援するのは初めからフランス軍のリコルヌ特攻部隊であったのでありそこに中立性がまったくなかった。この両者は一体になっている。このフランス特殊部隊(リコルヌ)のバグボ邸への戦闘が国連軍(ONUCI)の外国への戦闘規定に準拠するのかという問題があった。また一方では国連決議1973に違反するのかしないのか?という認識が米国と仏国の大統領の間にも『その目的をめぐって』対立がでていた。そのためにフランスは先を急ぎだしたのであると考えられる。
4月11日にコートジボワールでバグボ逮捕がされた。フランス特殊部隊(Licorneリコルヌ)が空爆と戦車及び装甲車をつかっての攻撃がバグボ邸へなされていた。11日のバグボ生け捕りはフランス軍は無関係であり直接には関係してないとアラン・ジュッペ外相は11日前からすでに計画されていたのか述べていた。フランス側はのコートジボワールへの軍事介入の正当性は次の二つである。①国連の潘基文事務総長がフランスに援軍を依頼したのでやった。②もう一つは、国連決議1973に則ってやったのだということだ。
「国連議決1973」は2011年3月17日に国連安全保障理事会で決議されたリビアと蜂起側の「反リビア政府臨時国家審議会」に関する条項。リビア上空に航空禁止領域を設定する事で、あらゆる手段を行使して、市民を保護するために各国の支持と参加とを可能ならしめるもの。そしてこの国連決議1973の目的を巡っては、オバマ大統領とサルコジ大統領の認識に大きな相違があって対立している。リビアへの軍事介入と同じようにコートジボワールでも戦況認識の解釈をどうとるかでフランスの軍事介入や内政干渉が問題になってくる。つまり国連軍(ONUCI)にせよ北大西洋条約軍事機構(NATO)にせよフランスにせよようするに軍事介入が戦争犯罪になるかならないかのボーダーラインがそこにあるということだ。
必ず国連決議1973を提示して自国軍の行為は之を逸脱してないと主張しているはずなのだが、その条文の解釈がフランスとアメリカでは市民の保護を第一番にとるかどうかで異なっているようだ。この一番大事だと思われる点がメディアでも不明解にされている場合があるようだ。そのために軍事介入の異常性が正当化され市民が多量に殺害された(536人)コートジボワールの戦争を許すことになっていると考える。
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2011年4月9日土曜日
リビア対地上攻撃でオバマ米大統領とサルコジ仏大統領が対立
もしNATO軍の援助がなければ反リビア政府臨時国家審議会側の支援は効果が薄くなり反対勢力を組織できなくなる。もうじき予定されるトリポリ占拠も不可能になってしまうのでサルコジ大統領はオバマ大統領に米軍の対地上攻撃機A10とAC-130の退却決定を取り消す要請をした。オバマ大統領はNATOの目的がリビアの飛行禁止領域設定、市民の安全保護、政治変革の状況づくりにありカダフィを打倒することではないとしてサルコジの要請を拒絶し意見が対立した。
オバマ大統領とサルコジ大統領は3月28日(月)にビデオ会議をした。これが3日に「ヌーベル・オブセルバトワー誌fr.」で報道された。
フランスと英国は地上爆撃の戦略機は余りなくい。この種の飛行機は強力なものがないという。
4月7日の「ラジオFrance Info」では、リビアのカダフィ軍攻撃の北大西洋条約軍事機構(NATO)軍にアメリカ軍は参加してないと報道した。英国もあまり気がのらずルーマニアぐらいしかフランスのリビア攻撃を支持していないという。
オバマ大統領は戦闘機は「スタンバイ」状態にしては置くとビドオ会議ではいっている。カダフィがベンガジの反リビア政府臨時国家審議会に攻撃を加えないかぎり再稼動はしないと話した。
ビデオ会議の後で、オバマ大統領は米国のリベアでの戦争介入動機に触れて、これは短期の時間的制限が性格づけられたもので米国は歴史的な国連議決1973の提出国であるとしている。この中でオバマ大統領はフランスのまた仏大統領の役割を一度も髣髴させなかったという。
フランスのサルコジ大統領が開始し欧米や世界機関を巻き込んだカダフィ空爆だがその当初から戦争動機が不明確な軍事介入ではあった。