2011年6月27日月曜日

仏バカロレア高校試験詐欺で 問われる国家証明書の詐欺性

6月27日、フランスのバカロレア試験で問題が事前に漏れた事件で高校生たちが騒いでいる。世界で唯一フランスにしかないバカロレアだが、国家の出す証明書の存在価値そのものの詐欺性が問われている。それは資格を取得しても就職できない青年がフランス中に溢れているからだ。

パリ近郊のバル・ドオワズ県の印刷所の労働者の息子が逮捕されて、信頼濫用、職業秘密違反、盗品破棄隠匿で試験詐欺が調べられている。

バカロレア試験は高校の最終学年者に行われる大学入学の許可証取得試験。

現在警察はこの試験問題を調査している。容疑者の生徒の一人が試験問題の写真を撮ったが、これが父親からもたらされたらしい。

再試験はしないとリュック・シャテル教育相は発言。漏洩された問題の箇所の配点を巡って点数のつけ方に平等性の欠如を指摘する抗議の声が起こっている。しかし政府は何も無かったかのように事件の縮小化に務めているようだ。が、本質的な問題を回避しているようである。

高校生の一生を左右する重大な国家試験だが、国家が保証するバカロレアの現実的な価値そのものが空疎になってきている。だからといってこれに新たな価値を付与することが解決だとはもはや思えない。



(参考記事)
Fuite au bac: le fils d'un imprimeur interpellé - L'EXPRESS