2011年9月22日木曜日

サルコジとバラデュの元相談役2人が拘置、カラチ事件のコミション還流事件で

21日朝、フランスがパキスタンに売り込んだアゴスタ潜水艦の手数料(コミッション)支払い事件は、その一部がフランス側に還流して1995年のバラデュー元首相の大統領選挙運動資金へ流れていた疑惑事件を捜査していたルノー判事はニコラ・バジル(Nicolas Bazire)氏とチュエリー・ゴベール(Thierry Gaubert)氏を拘置した。バジル氏はバラデュー元首相の相談役でアルノー・グループ社の社長と仏高級品製造会社LVMHグループの開発部長をしていた。ゴベール氏はサルコジ大統領の元相談役であった。サルコジ氏は当時はバラデュー首相の選挙運動を推進する中心人物で財務相としてパキスタンとのアゴスタ潜水艦売買の契約調印をしている。
アゴスタ潜水艦をカラチで製造していた仏技術者が11人テロで殺害されたのはこのカラチ側へのコミッション支払い約束を大統領選挙で勝利したシラク大統領が、バラデュ側へ還流コミッションが流れることを恐れてストップさせたことへの報復テロとされていた。

当時は合法とされていたコミッションとは別に両国の潜水艦契約の仲介者となったレ バノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏からバラデュー側へフランスが出したパキスタンへのコミッションの一部が還流されていたという疑惑が今回の事件である。





カラチで起きたテロはイスラム過激派説から、コミッションの支払い停止によるパキスタン側の怒りのテロだとの見方が強まった。シラク大統領がバラデュー元仏首相側へ逆流するレトロ・コミッションをストップさせるためだったと見られている。違法コミッションを誰が受け取っていたかが問題の焦点に。

コミッションといっても2つある。1つはフランスの武器販売相手国側に対してコミッション(賄賂)を支払うことは当時は合法的でありこれは裁判の対象にはない。しかしフランスがカラチ政府へ贈ったはず(合法)のコミッションがカラチには届かずに仲介人からフランス側の契約関係者にルクセンブルグなどの銀行を介して当時のバラデュー元仏首相派へ送り返されたとの疑惑のあるコミッションの流れを見返り手数料(レトロ・コミッション)といって使い分けしている。レオター元国防相の今回の証言でもって、この見返り手数料(レトロ・コミッション)の存在がさらに強化されたわけだ。 
日曜新聞(JDD)fr.が暴露し、仏国営ラジオ・フランス・アンフォなどが伝えている。


【参考記事】
Affaire Karachi : deux ex-conseillers de Balladur et Sarkozy en garde à vuehttp://www.leparisien.fr/faits-divers/affaire-karachi-deux-ex-conseillers-de-balladur-et-sarkozy-en-garde-a-vue-21-09-2011-1618704.php






Affaire Takieddine : Bazire en garde à vue