2011年10月7日金曜日

現実への「新しい扉」を提出、ノーベル文学賞受賞、スエーデン詩人トーマス氏の作品

2011年度のノーベル文学賞の受賞者はスエーデンの詩人トーマス・トランストロメール氏に決まった。と10月6日(木曜日)にスウェーデンのノーベル・アカデェミーが発表した。スエーデン人の文学賞は40年ぶり。

パリジャン紙によると、トーマス氏は精神医学の勉強をしてきた人だという。作品は凝縮された透明なイマージュで我々に新しい現実への扉を提供しているものだと同アカデミーでは評価しているという。

これはトランストロメールの作品が、「信仰心のない者の祈り」の詩であって、「命が尽きてもで終焉しない人間の存在を」表現しようとしている。また我々の私生活の内面とそれを取り巻く世界との関係を探求しているもので、スエーデンの出版社はトランストロメール氏の詩は世界の迷宮的な多様性に対して個人存在のアイデェンティティの謎を絶えず探求しているのだとエックスプレス誌fr.はいっている。

トーマス・トランストロメール氏はスエーデンの詩人としては最も有名で翻訳も多い。「Baltiques et autres poèmes」(1989)「Les souvenirs m'obsevent」(2004)、「La grande énigme」(2004)などがある。同氏の作品の全集はフランスではガリマール社から出版されている。著書は55カ国に翻訳されていて英国圏では有名であってもフランスでは有名だとはいえないと左派系の週刊誌ヌーベル・オブセルバトワールfr.は書いている。最近では仏翻訳者のジャック・オッタン氏の推進で、「大きな謎」(la Grand énigme)などが出版されている。

トーマス・トランストロメール氏は1931年4月15日にストックホルムに生まれた。精神科学の教授をストックホルム大学で長年務めた後で、青少年の非行問題に従事する。ハンディキャップ、麻薬中毒者を研究した。卒中発作の研究の後で、1990年に半身不随に襲われてからは活動が著しく衰えているという。