2013年2月7日木曜日

チュニジア初の極左派系政治家暗殺 イスラム主義者の殺害に明日は全スト

6日チュニジアの首都チュニスで極左派系「民主愛国党」の指導者ショクリ・ブライド氏が車に銃弾を浴びせられて殺害された。ブライド氏は弁護士で、パリの弁護士会の代表は、「民主主義がなければ弁護士は仕事ができないとしてチュニスに支援に行く」と朝の仏国営ラジオ・フランス・アンフォで発言した。そして「これは初の左派政治家の暗殺になった」と話している。明日金曜日はブライド氏の国葬と全ストの大集会が予定されている。

6日朝にチュニスのメンザハにある自宅を出た極左派系「民主愛国党」の書記長ショクリ・ブライド(Chokri Belaid)氏は3発の弾丸で殺害された。頭部と頸部が撃ち抜かれている。犯人はバイクで逃走した。同氏の死はチュニジア中に大きなショックを与えデモが起こっている。このことで首相は人気がなくなるのを恐れてか、「組閣に当たっては政治色にとらわれない実際的なものとする」と発表した。

市民や左派の活動家や指導者ら100人ほどがショクリ・ブライド氏が運ばれたクリニックから遺体を持ち出して数千人のチュニス市民が集会しているブルギバ大通りに運んだ。


内務省前では市民が抗議して「政府崩壊」が叫ばれて新たな革命が予告されている。しかし警察がデモを突然に催涙ガスで蹴散らした。両者の衝突は午後まで続いた。

「誰もが暴力を拒絶している」と弁護士は主張している。殺害の犯行声明はない。犯人の素性はわかってない。しかしイスラム主義のアン・ナハダ政党ではないかと見られている。

チュニジアではここ数ヶ月前からジャーナリストや組合や非宗教の運動家などが襲撃される事件が相次いでいてそれに抗議するデモも起こっていた。

野党は、与党のアン・ナハダが「布教と聖戦のためのサラフ主義集団」(GSPC、現イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQMI)の暴力に対してその放任主義を批判してきた。与党はサラフは我々の子供であり息子であると擁護してきたという。

【参考記事】
チュニジア新政権は延期