仏の軍隊はマリ北部で作戦を展開している。仏原子力産業のアレバの社員がマリで捕虜になっていて家族の心配は募るばかりだ。「戦闘では話し合いができない、戦争では殺害されることが見えている」と不安を語っている。サルコジ前大統領の時代に捕虜になったアレバ社員たちは、病気のフランソワ・ラリベさんと2人の従業員を除いて、あとの6人はいまだに釈放されてない。フランスは保釈金で取り引きすることをしない方針で、これはオランド仏大統領も同じ考えのようだ。すでにフランスはマリでの戦争で1月13日からこれまでに6千万ユーロ(約60億円)以上を費やしているが、今後も戦闘を続ける姿勢だ。そこには人の命が金では換えられないという思想が欠如していると思える。
サルコジ前大統領が主張したような、「テロリストの指示を受けない」という考えの中には捕虜の生命の安否が第1番目に考慮されていないのである。「テロリストの指示を受けない」のが大事なのではなくて、指示を受けても受けなくても人を殺すことになることを避けなければならない。そういう人の生命は金では換算できないという思想が欠如しているということなのだ。
マリへの仏軍による戦闘で偶発的で予想できなかったのかもしれないがアルジェリアで日本人を初めとする諸外国の罪のないガス採掘基地で働く従業員が殺害事件に巻き込まれる事件が起きた、この殺害はテロリストだけでなくアルジェリア政府の特殊部隊も関係したものであった。
テロリストは殺害してもよいとかカダフィは独裁者なので裁判もなしで殺害してもよろしいという思想があるとしたら、その巻き添えになって誘拐された者や捕虜にされた人たちの殺害の可能性も増大することになるだろう。事実そのようなことが起きている。
オランド仏大統領が始めたマリ北部のイスラム主義者への空爆が原因になって、アルジェリア上空の仏戦闘機の飛行を承認したアルジェリア政府への報復でアルジェリア東部のインアメナ付近のティガントーリン(Tigantourine)ガス田基地が占拠され、そこで日本人が殺害されたこともそうだ。
またサルコジ前仏大統領がリビアのカダフィ大佐を空爆した時に同時に殺害された無実な市民たちも生命軽視の思想が原因にある。
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