2015年9月21日月曜日

オランドのモロッコ訪問で イスラム宗教家養成をフランスと協力合意

モロッコ訪問中のオランド仏大統領に随行したフアビウス外務大臣はモロッコとの協議の中で宗教的指導者(イマーム)を今後1年間で50人を養成したいと述べ、モロッコとの協力を合意した。教義的内容の問題には立ち入らなかったが、イマームに穏健派がいて、その上にフランスの制度で養成がなされるのは更に良いとしている。現在フランスには養成されたイマームというのはいない状態なので、これは重要だと言う意見がでている。(パリ=飛田正夫 2015/09/21 11:30
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フランス国はライシテ(政教分離)に基づく考えだ。これまでにフランス国内のイマームで狂信的な者もいて青年たちに大きな影響力があり、リヨンの方やあちこちで過激的な演説をしていたのが問題になったていた。

3月から開校したモロッコ王モハメッどⅥ世イマーム養成学校は、偏向のない中庸のイスラム、寛容や開放性の価値に根ざしたライシテ(政教分離)教育と共和国の価値を基盤とするもので歓迎すべきものだ。

モロッコ国の資金援助でイマーム育成を3年間でする。フランスからは既に20人が参加している。この9月からは30人が更に加わる。モロッコでの養成の後に、フランスに帰ってからは宗教法や宗教社会学を学ぶことなどが、今回のフランス側のモロッコ訪問で話しあわれたと言う事でだ。

そこには、最近特にイマームがフランス言語をしゃべらないとか、神学観などの周辺で、フランス共和国の価値観に適合しないことなどが論議になっていた。

モロッコは国立の宗教機関という事でも金が出せる。しかしフランスはライシテ(政教分離)が国の信条なのでこれはできない。例えイスラム教のモデレ(穏健派)イマーム養成であっても、宗教教育になってしまう。フランスでは宗教教育はできないし、特定の宗教に金を出す事はできない。その辺が非常に難しい事情があって今回のイマーム養成の計画が話されたのだろう。

モロッコでの宗教教育では過激で無いイマームの養成をする。フランスに返ってからは大学の方では宗教社会学や宗教法を学ばせる。後の方の教育はフランスもできるわけということか。