2016年2月10日水曜日

シリア難民30万以上が 封鎖中のトルコ国境で立ち往生  

(パリ=飛田正夫2016/02/10 15:14日本標準時)ここ数日来、アサド政府軍を支援するロシアの戦闘機がシリア反体制側蜂起勢力の町アレップ(Alep)を空爆している。アレップから車で一時間の距離にあるトルコ国境にシリア難民が食料も毛布一枚さえも持たずに集まっている。トルコ国境はすでに数週間前に封鎖されていて、ここには難民30万人以上が立ち往生していて大問題になっている。国連(ONU)は、トルコ政府に対し既にトルコが250万人以上の難民を受け入れているのは承知しているが、シリアを弾圧されて逃げて来た市民たちの生命が危険なので国境を開けるように要求し、国際社会がトルコの受け入れを支援するよう話した。国連によるとシリア難民キャンプに溢れている31万人の80%は婦女子であるといっている。8日、国営ラジオ・フランス・アンフォに招待された「国境の無い医師団」(MSF)会長メゴ・テルジアン氏は、トルコ国境を開放してアレップ(Alep)での戦闘から逃げて来たシリア人民を受け入るように訴えた。これは一つの解決だが、本当の解決は政治的に空爆をやめることが必要だが、それはまだほど遠い先のことだと残念がっている。現在アレップ(Alep)にはアサド政府軍とロシア軍の空爆に耐えて約27万人が残って戦っているとテルジアン会長は語った。

彼らの多くは雨風をしのげないで寒さの中で立ち往生している。とくに子供が危険な状態にある。彼らは疲れている。トルコに行こうとしたが国境が封鎖されている。と説明した。8日にMSFでは700家族分のテントと緊急必需品を配ったが、十分でないのは言うまでもない。食料などはあるが町ではパンの値段が急騰している。アレップ(Alep)から来た人々は疲れ切って何をしてよいのか何処にいったらよいのかと路頭に迷っている。トルコ政府側は国境を開放する前に受け入れキャンプの準備中であると説明していると話している。国境に新たなキャンプを設立する必要があるともメゴ・テルジアン会長はラジオ・フランス・アンフォのマイクで訴えている。