2016年6月16日木曜日

プリメールに立候補せず サルコジが党資金で大統領選挙運動開始 倫理の欠如が批判

(パリ=飛田正夫6/16/2016 6:41:33 日本時間)仏保守党の「共和党」(LC)の2016年の予算が昨年11月度に決まっていて、今年度予算は驚くべき高額になっているという。「共和党」(LC)の大統領選挙運動資金から金を引き出して、サルコジの後援会に使用させていたことがフランソワ・フィヨン元首相とエルベ・マリトン議員が批判し、右派プリメール高等審議会に訴えた。まだプリメールが行われない時点では、同党からの代表者は決まっていない。それにもかかわらずサルコジは勝手に党資金で自分の大統領選挙を開始しているとして騒がれている。ベルナール・ドブレ議員は「倫理観と正直さが不足している」と批判している。LC内部からも批判され大問題になっている。

ボルドー市長のアラン・ジュッペ元首相は、11月末にプリメールで勝利した者が党の選挙運動資金を使えるのであるとサルコジを暗に批判しているが、ルモンド紙などではジュッペは金の法的不正の点ではなくて倫理的な不清潔さの点からサルコジの行為を批判しようとしていると言っている。

今年11月20日と27日に開催される2017年の仏大統領選挙のLC内立候補者を決める予選選挙(プリメール)に、サルコジは未だに立候補していない。

このニュースはフランス国営放送テレビA2のニコラ・ペイヤーアナウンサーも報道している。プリメールを介さないことは2012年の仏大統領選挙でサルコジは批判され次の大統領選挙ではプリメールを必ず行うと言い逃れしていた。プリメール立候補期限もまじかで、サルコジがプリメールに立候補しないで独自にプリメールを避けての候補を考えているとも考えられる。

既に、サルコジ前大統領の講演原稿書きをやっていた元エリゼ大統領官邸特別書記官アンリ・ゲイノ氏は、先週にプリメールに出ると宣言をして、もし大統領選挙候補に選ばれなくても独自に大統領選挙には出ることを宣言していた。その時にサルコジの前座をゲイノが務める可能性を指摘したが、現実となってきたようだ。

【参考記事】
http://www.lemonde.fr/politique/article/2016/06/15/primaire-a-droite-fillon-et-mariton-saisissent-la-haute-autorite-du-cas-de-sarkozy_4950859_823448.html

http://www.franceinfo.fr/actu/politique/article/sarkozy-soupconne-par-ses-rivaux-d-utiliser-le-budget-de-son-parti-des-fins-personnelles-798263