2017年8月31日木曜日

レジス・ドゥブレの見解 マクロンは北欧プロテスタントの新倫理でフランス改革

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎31/‎08/‎2017‎‎-01:42)1960年代にゲバラと親交があったフランスの哲学者レジス・ドゥブレ氏の新しい著作"Le nouveau pouvoir"(新勢力)が明日9月1日に発表される。このことでルモンド紙がインタビューをしている。ドゥブレ氏は、39歳で今春に仏大統領に就任した若きマクロン大統領の政治を捉えて、フランスのカトリックが世界的なネオ・プロテスタント文明へと移行する時点での透明なるイデオロギーとしてこれを見ている。大統領選挙3カ月を経てマクロンの人気は今、急降下している。その中でマクロンは先週、フランス人は改革を受け入れない国民だとの発言でメディアを騒がせたばかりであった。マクロンは、ドイツや北欧などプロテスタント諸国が経済・社会改革でうまく行っているが、これと反対のフランスなどカトリック国を比較しているようだ。
マクロンがフランスの「改革はこれまで失敗してきた」、「改革はフランスではできない」、「別の政治のやり方がある」と言っているのはそのことなのかもしれない。北欧プロテスタントの資本主義の新たな倫理によって、現在の不透明な秘密主義は終焉し変換されフランスは清純で透明な純朴性を持つ神秘的バロックのカトリックに変化するだろうと見ている。このドゥブレ氏の見取り図には、ヨーロッパのプロテスタントと米国の福音主義者(エバンジェリスト)との立て分けの必要性などが強調されてそれには賛否両論がある。

昨日も指摘したが、フランス人は絶対に満足を知らない国民で、何を与えても不満を言う国民であって、例えプロテスタントの信仰を与えられてもそれではやはり満足しないのがフランスであると私は思う。そういうフランス人には出し惜しみしないで最高の「法華経」を与える必要があるということだ。

レジス・ドゥブレ(Régis Debray)氏の新著「LE NOUVEAU POUVOIR」
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日前のルモンド紙のインタビュー記事で9月1日が発売だという関心を持ったレジス・ドゥブレ(Régis Debray)氏の新著「LE NOUVEAU POUVOIR」Les édition du cerfを予約しておいたので引き取りに行った。93頁ほどの本で目次はによると5章立てで、
D'un château l'autre,
Transparency international,
Flash back,
Le génie du néo-protestantisme,
La géneration Ricoeur 

となっている。Ricoeur というのは、マクロンの先生的存在であった2005年に亡くなった哲学者Paul Ricoeurのことだ。最後の二つの章にそれぞれ20頁ほどを使っている。本では仏大統領エマニュエル・マクロンの政治をどのように理解したらよいのか?という問いで、政治的変化の形相が文化的な深い分裂を刻印させている。ドブレは、ネオ・プロテスタント文明の世界的な流れの中の出来事で、何が今度はフランスのカトリックと共和国で起こって来ているのかを指摘している。この著書は500年前の1517年のプロテスタントの宗教改革以後の文化・思想的な見取り図と将来を俯瞰したもの。

【参考記事】


L’originalité de la thèse avancée par Régis Debray dans son dernier essai, « Le Nouveau Pouvoir », selon laquelle la France serait traversée par un moment «…
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