2011年3月2日水曜日

カダフィはインタビューで「西欧が自分を捨てた」と「汚れた手」の過去を隠す者たちを批判

米国のABCニュースがカダフィにインタビューした報道の一部が3月1日のフランス国営放送・テレビA2で放映された。そこではリビアの民衆がカダフィの国外追放を要求するデモが起きていることを知らないというのが紹介されている。民衆の殺害など起きてないと主張しているものだ。別のフランスのメディアではカダフィは「西欧諸国が自分を捨てた」と同じABCニュースのインタビューで批判しているといっている。カダフィは「自分らはアルカイダと戦うためにヨーロッパと組んだのに、いまになってテロリストと戦っている我々をヨーロッパは捨てた」と、つまり裏切られたとみている。
2月23日一面トップの写真で「汚れた手」と題が。2007年にフランスが独裁者カダフィを国賓として招待したことで、当時のフランスでは大問題になった。

欧米諸国の多くの政治家は、カダフィが以前から独裁者であったのかそれとも急に独裁者に変身したのかは評価の分かれるところだ。フランスのサルコジ大統領はできればカダフィとの汚れた手の過去を知られないように隠したがっているようだ。

クリスマスから新年にかけてのエジプト家族旅行でフィヨン首相も国のジェット機を利用して独裁者ムバラク大統領の豪華ホテルの恩恵を受けて批判されている。

ミッシェル・アイオマリ仏外務大臣(、前内相、元防衛相)も、同期間に、チュニジア家族旅行でチュニスから地中海タバルカへのジェット機旅行をやった。これは偶然にチュニスで出会った独裁者ベンアリ一派の財界人の好意をうけたのだと国会で声高々に宣言していたのが嘘であることが暴露された。

チュニジアへ出発する前からベンアリの友人に手配をしていただけでなく、チュニジア南部のトズールへの旅行も無料でジェット旅行していることがばれた。

またMAMはチュニジアのメディアによるとベンアリとその内務大臣とも会ってチュニジアの民衆暴動の鎮圧を依頼されていたといわれている。本人はこれを否定している。MAMの父親はこのチュニジア家族旅行の間に 325000ユーロ(約4千万円)の投資を独裁者ベンアリ一派の私設不動産管理会社にしている。

2月28日になってフランスの左翼系週刊誌「アンロクチーブル」が3月1日号に掲載される記事だが、大統領官邸エリゼ宮殿特別諮問員アンリ・グエイノ氏がやはり同じ時期のクリスマスから年始の4泊4日をカダフィのリビア仏大使館の友人宅に遊びに行っていたという。

一番の問題はなにかそれは、12月初旬ころからチュニジアを皮切りにイスラム・アラブ世界の民衆の革命の胎動が各地の暴動となって始まっていたということだ。独裁者と戦い貧困や不正と戦う人々の動きがあったことを同地のフランス大使は理解しなかったし、「地中海域同盟」を口にしマグレブ諸国との友情を宣言する大臣や首相、サルコジ大統領の特別諮問員は当地に旅行しても気づかなかったということである。

カダフィが篭城するトリポリの王宮地区を除くほぼ全地域がリビアの民衆側の手に陥落しカダフィの統制化から解放されて東のベンガジを初め町の自治管理の動きがでている。

王宮の地下特別施設に逃げ込んだ、カダフィと息子のセイフ・アル-イスラムや娘のアイシャなどが最終決戦にはいった。カダフィは全国民に300ユーロ(約36000円)を銀行で配っている。しかしそんな金で魂を売ってはならないと受け取らない人が多い。