国際通貨基金(IMF)専務理事のポストの選考が5月19日にはじまったが、候補者に経済大国となった中国に人気が出ている。国際通貨基金(IMF)専務理事のドミニク・ストロスカーン氏が辞任したため後任者を早急に選ばなければならない。中国人気の理由はこれまでIMFの専務理事は米国と欧州が独占してきたブラジルなど後発国の反発がある。また財務負債国の多い欧州ではなくて、世界的な経済成長の目覚しい中国に牽引役をやらせてはどうかという考えからだ。
人材面でもIMFの専務理事には国際的な金融界での経験や専門家としての経歴も必要だ。中国側からは元中国人民銀行副総裁でIMF専務理事特別顧問を歴任した経験者で米国のトップ大学を出た優秀な人材が候補者に上がっている。しかしフランスの政府メディアでは中国のことは殆ど話さない。自国フランスのラガルディエ仏経済相がイタリアのベルルスコーニ首相からの支持があるとか英国の支持をあげて有利だと報道している。しかし同氏にはフランス企業家のベルナール・タピとの金銭的な癒着の疑惑がありこれが晴れないと難しいとの観測の声も高まっている。
「アラブ諸国の春」による中東・アフリカ世界と日本の福島地震の津波と原発事故の復興などを考え合わせると、中国が指導権を持つのは世界の民主化と民主主義を擁護するのに必要なことかもしれない。IMF前専務理事のストロスカーン氏はIMFのこれまでの欧米のためにの国際機関というイメージを転換しようとしてきたと語っていることからも、中国から選考されるのが期待される。