2010年12月6日月曜日

フランスの伝統料理(ガストロノミー) ユネスコの世界文化遺産目録入りに疑問

フランスのガストロノミーがユネスコの世界文化遺産目録に公式に入ったことが16日のナイロビの会議で決まった。今年の候補は51あったが、食の目録入りは今回が初めて。17世紀のベルサイユ宮殿の王侯貴族の料理がフランスの伝統料理ではないことはいうまでも無い。

現在のレストランの格付けの代表的なミッシェランの星はこのガストロノミーの代表だろう。フランスの社会に伝統的に根ざした食文化を評価することとレストランの星と混同すべきではない。パリマッチなどにはセーヌ川を見下ろす鴨料理で有名なレストランの写真が掲載されているが、ユネスコはそういうものを頂点にした伝統料理を評価し保存したいと考えているのではないはずだ。

フランス人が非日常的な結婚とか誕生日などの祭りに家族・友人が集まる機会に食される伝統料理を評価したはずである。

しかし現在のフランス人の食文化の退廃は嘆くべきものがある。昼はサンドイッチやマグドですませる人は学生だけではない。さらに世界にはレストランやガストロノミーなどしらない人々がほとんどで飢餓状態にある国も多い。ユネスコの世界文化遺産目録とはいったい何を評価するものなのか?どういう社会の伝統文化を維持したいと考えるのかその思想の貧困性に首を傾けざる得ない。(2010/11/17)

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