2011年5月3日火曜日

クリアストリーム事件:ド・ビルパン裁判に原告サルコジも弁護士も欠席 大統領選挙票5%のためか 

5月2日、クリスチィアン・ボーキュス裁判長が「サルコジ ニコラ・・・?いませんか?それでは次ぎに・・・」と連呼していった。2日の朝のパリ控訴院でフリゲート艦売り込み賄賂ニセ・リスト容疑の《 Clearstreamクリアストリーム》事件の裁判が開廷した。原告側のサルコジ大統領の欠席が目立った。また大統領の弁護士も一人として姿を見せなかった。2010年1月の軽罪裁判所の時とは打って変わっての静けさだと「トリュビューン・ド・ジュネーブfr.」は書いている。この初判の裁判でドミニク・ド・ビルパン前首相は完全に無罪放免になっていた。今回の再審は検事が控訴をしていたからだ。

ルクセンブルグのクリアストリーム銀行に置かれた賄賂隠し口座のニセ・リストにニコラ・サルコジのイニシャルが偽造されたとされる事件だ。この容疑者を指してサルコジ大統領はこれまで前同僚であったビルパン前首相にたいし「肉屋の鉤に吊るしてやる」と発言していて話題になっていた。

ド・ビルパン前首相はこの言葉を意識した含みを持った言葉ではなした。きょう「私はここに出廷しているのは、執拗な男、ニコラ・サルコジ、フランス共和国大統領によっている。フランス人民の名においてそこから私は自由になり潔白性を証明するだろう」 と発言した。

ド・ビルパン前首相は法廷に入る直前に記者たちを前にして「今日はサルコジではなく、ビンラディンだ」と短く話し、「今日の朝は、私のことではない。それは数千の男女が狂信的暴力行為と、ビンラディンの憎悪によって死亡したことだ」と話した。これに記者やカメラマンたちは意表を突かれたようであったが、すぐに嬉々としてド・ビルパンが法廷に入る道をあけた。前首相自身の声もほころんだようだった。

なぜ原告のサルコジ大統領は「クリアストリーム事件」の第二回公判を欠席してしまったのか?ド・ビルパンはすでにフランス現政権与党の国民運動連合(UMP)から離脱宣言をしているために2010年の大統領選挙の候補者になる可能性が強い。そうなると第一次投票での保守派の票の3%から5%がド・ビルパン前首相に流れると見られている。人気低迷の中のサルコジ大統領としてはそうなると第一次投票で落選する可能性が大きいと判断した結果が今回の「クリアストリーム事件」裁判での欠席となったと見ている。

(参考記事)

Nicolas Sarkozy laisse champ libre à Dominique de Villepin | Tribune de Genève