フランスの私設情報会社セコペックス(Secopex)社の仏人社員4人が、リビアのカダフィ大佐のためにトリポリの東800キロほどにあるベンガジ政府(反リビア政府臨時国家審議会CNT))をスパイした容疑で5月11日から逮捕されていたが、5月21日に釈放されてエジプトへ引き渡されたと報道されている。
CNT側の欧州外交官からの情報では、セコペックス社の社員らはフランス軍隊の出身者で、社長ピエール・マルジアリ氏は元ヘリコプター部隊の下士官だ。ベンガジで逮捕された時(5月11日)に社長は殺害されている。一方、フランスの私企業がそのような戦略活動でカダフィに協力し、かつ情報をフランス側へも提供していたとなるとCNT側との間に不信が高まるのは当然だと推測されている。
セコペックス社はフランス南西部地方のカルカッソンヌに本拠地をもつ私設の軍隊指導の会社で戦争や紛争などをサポートする私兵の養成と指導の会社だ。
フランス政府が先頭になって開始したリビアのカダフィ軍への空爆だが、リビアの市民の安全を第一に考える国連決議1973を遵守するとどの国もリビアでの地上戦は許されてない。フランスの私企業がはたしてそのような戦略活動に参加していたかは大問題である。
現在はカター、イタリア、英国など四ヶ国ほどがこのベンガジ政府を唯一リビアを代表する政府だと承認している。
このCNT側がどうして仏人社員4人の逮捕と社長の殺害をしたのか?その理由はカダフィ政府のスパイだったということらしい。このことですでにフランス政府とのあいだに緊張がおきているのではないかといわれてきている。
しかしリベラシオン紙がセコペックス社の副社長ロベール・デュラス氏にインタビューしたところでは、セコペックス社がリビアのトリポリでカダフィ大佐側と接触していることを認めている。しかし、フランス政府と蜂起側のベンガジの反リビア政府臨時国家審議会(CNT)とは、セコペックスのリビアでの活動を認知していたはずでスパイなどではないとしている。しかし私企業が戦争に加担していることは問題をのこすであろう。
ジャマル・ブノール検事はフランス政府はこの会社のリビアでの4人の活動に関してはベンガジ政府へ伝えてあって、承知していたはずだといっている。
セコペックス社側では、同社の活動は仏秘密情報局に多くの利益をもたらしたと見ている。
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(参考記事)