2011年5月27日金曜日

「フランス移民の子供たち」=認識できないゲアン内相に外国人差別の指摘

5月25日ゲアン仏内務大臣は議会で、5月22日のラジオ放送報道局ヨーロッパ1でフランスの学校教育で移民師弟の挫折に触れて「ディプロムを持たないで卒業する3分2が移民の師弟だ」「移民の4分1の外国人は欧州出身ではない」などと発言しそのために国粋主義者、人種差別主義者だとの批判がおこってたが、これは「移民の子供の教育を良くするための発言」だったと説明している。フランス人を外国人と分離してみせる大臣の考えが問題になっていて、移民の子供はフランス共和国の子供たちではないという誤った認識がそこにはあると批判されている。

フランスの憲法ではどんな人もその国籍や肌の色の違いによって差別されることを法律で禁止している。人種的かつ出身国籍別の統計は存在しないことになっている。

たとえ外国にその統計が存在してもそれを指摘して論議することはフランス共和国の精神から外れているもので、2010年夏のロマ人排斥の時にも仏移民省大臣から各県知事に流れた指令書が暴露され人種差別として欧州議会(EU)で批判されている。

クロード・ゲアン内務大臣(前大統領官邸書記総監)はサルコジ大統領の頭脳といわれる人物で元は警視庁長官であった人だ。

一方でこれはクリスチーヌ・ラガルド経済相のベルナール・タピとの疑惑問題の論議が起こっている最中のことでもあって、ドービルでのG8でラガルド経済相を国際通貨基金(IMF)専務理事候補にこぎつける算段があるために、ゲアン氏にメディアを集中させることで、タピとの疑惑問題をメディアから掻き消そうとした戦術だとも考えられる。

ゲアン氏の移民批判に火を掻き立てる烙印(スティグマ)化の発言は今回が初めてではない。これは政府の常套手段で珍しいことではなくなったが、いつでもどこでもメディアの話題に動員できるニュース源として人種差別や移民問題が確保されているようだ。しかし今回のゲアン氏の発言は、タピ疑惑のメディア化が急激でもあり予期されていなかったのか、その対応も大臣自身がするありさまで、政府の構えが手薄なのを覗かせている。

しかし社会党議員などからは学校での挫折の原因は国籍が外国人だからではない。家庭が片親だけの欠損家族であったり、貧困であったりしていることが原因であるとの指摘もなされた。国籍と無関係に移民の労働者の師弟は46%がバック(バカロレア大学入学資格)を取っているとも指摘されていて、しばしばありもしない数字を出して論議してみせるゲアン氏だが今回の発言にもそれに根拠がないことが露見されている。(11/05/27-1:01 )


http://www.liberation.fr/politiques/01012339428-immigres-gueant-en-echec-scolaire