学校が終わると子供たちはリーズさんの家に集まる。リーズさんは子供達の母親代わりなのである。彼女はコニャックに近いフランス南西部のアングレームからやって来た人で、婦人たちと子供たちのためのセンターを泥道ばかりの中に立ち上げた。その両隣に劇場と教会がある。アフガニスタンから来た子供は通訳の援助で身の上話しをしようとした。自分は英国にいる叔父を頼って、勉強するためにアフガニスタンの両親から一人離れて、渡し屋(パッスー)に連れらてきた。
このカレのジャングルの解体が話されてから子供たちは気が滅入っていて、気が立っているのだと、6カ月ほど子供達を面倒みているリーズさんは説明するという。彼女自身もこういう子供を見ているとたまらなく苦しくなるのだという。リースさんが見て来た子供達はここに来てから5カ月が経過してより静かにより威厳ある振る舞いに変化したのだという。それは彼らの欲していたものを与えたからだと彼女は話した。ところがまた新たに移転となれば子供達はどうしてよいかわからなくなってしまうのだと心配している。キャンプの解体ともなればどこに行っていいかわからない路頭に迷った哀れな子供を国はどのように責任を取るというのであろうか?
ここにやって来たすべての「難民」が夢見た人権の国フランスが人権を守れないのは恥ずかしいことだ。人権の国が人権犯罪を犯そうとしている。これはフランス全体の集団的責任であり、国がここでやって来ていることは国際的に裁かれなければならないと人権擁護団体は訴えている。
【参考記事】
http://www.franceinfo.fr/actu/faits-divers/article/evacuation-de-la-jungle-de-calais-que-vont-devenir-les-enfants-768891