2011年9月15日木曜日

サルコジ仏大統領リビア訪問で演説 「NATO?と仏」のリビア残留を肯定


 
http://youtu.be/n1SMb-UmmiE
Sarkozy en visite à Tripoli en Libye

15日リビアの首都とリビア反体制派の国民評議会(NTC)のカダフィ大佐への蜂起が開始された首都トリポリの西部1000キロに位置するベンガジを訪問して、北大西洋条約機構軍(NATO)のリビア民衆側への支援介入は終わってなく国が脅威を受けている限りフランスは皆さん側に居残るとして、フランスのリビア駐留を宣言するかたちとなった。仏国営ラジオ・フランス・アンフォが報じた。カダフィ大佐とその一派はみんな国際司法権によって捕らえられるべきで彼らがしたことを明かすべきだと話した。我々はすべての国に呼びかけて国際要員と共に捜査しみんなが彼らがしたことを知るべきだ。フランスはリビアの統合とリビア人の和解に非常に関心がある。未来を一緒に見たい。報復は無く帳尻を合わすことはしない。法規を尊重するなどと話した。しかし、サルコジ政府が4月の時点でリビアを代表する唯一の政権としてリビアのベンガジ反体制の国民評議会(NTC)を承認し支持することを条件に、リビアの石油35%の利権を約束していたことは何も話さなかった。

 リビア訪問は、フランスが今後もリビアに駐留するというサルコジ氏の経済支援での陣取り宣言の訪問であったといってよいのかもしれない。NATO支援存続をサルコジ氏は話しているが、これに関してはNATO側からいずれ発表があるだろう。英国の首相が同行したのは一つのお墨付きでリビア戦争を開始したのも仏が英国を誘い両国によって国際社会も国連も追従したかたちで始まっている。

 NATO側も誤爆によって多くのリビア市民を殺害してきたことは認めているのだが、サルコジ氏の宣言にはその言及がなくカダフィ大佐側が一方的にリビア戦争の責任者だとする見解が目立った。戦争を急いで開始することよりも、つまり軍事的解決ではなく政治的、外交的な解決策を選択して行わなかったことで、多量の市民の犠牲者がで続けたといえる。 いまでは戦争の勝利が明確化したためにか、カダフィ大佐については誰も支持をしようとは思わないだろう。が、欧米のリビアへの一方的な介入で開始されたリビア戦争を初めは中国やロシアやアフリカ連合諸国などはこれを国内干渉だと批判していたことは国際社会の市民は忘れてはならないだろう。

 15日夜のフランス国営放送テレビA2によると、サルコジ仏大統領とキャメロン英首相はリビアに到着後、トリポリとベンガジを機関銃の装備されたヘリコプターで訪問した。

 サルコジ氏は「みんなは、自由、経済の発展を欲しているでしょう」、「フランスはそれを支援する準備がある」などとリビアの人々を前にして話している映像が流された。リビアの解放者であるというのが一般的な感情として受け止められていると同テレビは解説している。  しかし、フランスはリビアの再建費として1500億ユーロ(約16兆円)を想定していて、すでにブイグやアルカテルなどのフランスの企業400社がこの再建に参加することになっているのだと解説を付け加えるのも忘れなかった。

 同じテレビの解説だが、リビアのベンガジ反体制の国民評議会(NTC)を支持し支援する仏英など欧米諸国60カ国によって、今後のリビアの経済支援を話し合うパリ国際友好会議が9月1日にパリ・エリゼ大統領官邸前のマリニー館で開催された。ここは2007年にカダフィ大佐が国賓扱いでパリに訪問した時に大リビア・アラブ社会主義人民ジャマヒリヤ国のカダフィの習慣に従ってテントを張らせてサルコジ大統領が歓待した因縁の場所だ。

 4月3日の次元ですでにフランスはNTC代表マフフムード・シャマン(Mahmoud Shammam )メディア相とのあいだでフランスがNTC政府の承認をして最後まで軍事支援することを条件に見返りとして勝利の暁にはリビア石油の35%の融資をする約束がなされていたことを証言するマフフムード・シャマン氏の署名入り契約文書(写真)左派系新聞リベラション紙(9月1日未明)が暴露されていた。

 15日夜のA2テレビはこれに触れて、サルコジ氏は否定しているが、フランスは経済支援では(他国に)有利な立場にあるのだと解説を付け加えている。

 サルコジ大統領周辺ではリビアへの経済進出が前提にカダフィ大佐空爆の介入がなされてきたことがわかる。13日のルモンド紙ではリビア反体制派の国民評議会(NTC)の暫定政権首相マフムード・ジブリル(mahmoud jibril)氏へのNTC内部からと軍隊からの批判が起こっていることが伝えられていた。 

 9月15日、夜のテレビA2のニュース終了直後の20時35分からは仏社会党の2012年の仏大統領選挙立候補者選出の討論会が深夜までおこなわれた。そのなかで、サルコジ氏の同日昼間に行われたリビア訪問にふれて、理解できないものだというような短い批判がパリ南近郊都市エブリー市の若い青年市長から発せられている。サルコジ氏のリビア訪問が大統領選挙へ向けての人気挽回作戦の一つだと捕らえたかどうかはわからないが、これが政治家による初のコメントになったようだ。



 【参考記事】


MONDE Le 1er septembre à 0h00 (Mis à jour à 13:16)

Pétrole : l’accord secret entre le CNT et la France

http://www.liberation.fr/monde/01012357324-petrole-l-accord-secret-entre-le-cnt-et-la-france