21日、フランスのインターネット新聞のRue89が左派系の仏週刊誌ヌーベル・オブセルバトワールに合併することになったと発表された。資本は31日にヌーベル・オブセルバトワールの創立者クロード・ペルドリエル氏が買うことになるが編集権の独立は尊重するとピエール・ハスキ編集長にいっている。2007年5月に創立されたRue89はメディアパートと同じくフランスにおけるインターネット新聞の草分け的存在でネット新聞の新しい経営の可能性を模索してきた左派のメディアで訪問者数は2011年11月では月に200万人以上を記録している。とくにジャーナリスト学校と広告からの収入が主であったところが、メディアパートが読者購読を主にしていたのと異なっている。筆者はパスカル・リッシェ編集長に2010年1月にインタビューしていて、週刊金曜日に掲載している。そこではその頃に青年たちのボランタリアに支えられて誕生したバクッシシも紙とネットを小さな家屋の中で編集作業が行われていた。少し気になったのはサルコジ大統領のポスターが掲げれれていたので、副編集格の青年に権力批判がなければ売れないと話すと笑っていたが、バクッシシは経営困難でニコラ・ボー編集長は、今回は青年たちが期待していたようにはどこからも資金を集めてこれなかったようだ。どこも小さなメディアは経営が困難だ。すこし回顧的になるが私がリッシェ編集長に会った時に
バクッシシの話しが出てあそこは記事の出し方が分ってないと話していた。またメトロに置かれている無料新聞20ミニュットは数ある同種の無料新聞の中では最良だとのコメントもあった。私は新聞は民主主義の鏡だと考えているので何が書かれ何が情報となっているかがいつでも気になる。フランスの国営放送はテレビもラジオもかなり右傾化している昨今であり、ネットや左派系新聞の健闘がバランス的にも重要だ。ヌーベル・オブセルバトワールのRue89支援は非常に重大なフランスのメディアでの歴史的な事件となったのだと思う。