アブデル・カデェール・メラ氏の弁護士エリック・モレティイ氏は9月10日にパリ裁判所で7時間にわたる尋問を受けた。同弁護士は、兄は弟モハメッデ・メラ(Mohamed Merah)にどんな教唆もしてなくイデオロギー的な影響も与えてないと事件との関連性を否定している。また殺人を手助けしたという物的証拠もないと宣言して兄メラの釈放を要求している。
兄弟の名前は仏国内情報秘密局の名簿に2007年から出ていることが6月に社会党政権になってから開示された。このことからサルコジ政権下になって直ぐに両兄弟がイスラム主義者と関係していたことを当時の政府が承知していたことが明らかになった。それならばどうして事前に連続テロ殺人事件を予測し予防しなかったのか?危険を阻止しなかったのかという疑問が残る。
兄メラ氏は弟が2010年にパキスタンとアフガニスタンを訪問していることや、弟に合流するためにエジプトに何度か渡りアラブ語を数ヶ月間学んだことを今回の尋問で認めた。しかし両者の思想的な衝突が次第に調査の中で浮かび上がってきていて、兄が弟に教唆をしたとは考えられないと弁護士はいっている。
2012年の仏大統領選挙の真っ最中に弟のモハメッデ・メラ は仏西南部都市のトールーズとモントーバンでユダヤ人学校などを襲撃したスクーター連続殺人事件が勃発したと報道された。自宅に篭ったメラ青年は仏特殊警察に射殺された。
仏大統領選挙の最終投票を前にして突如として浮上したこのイスラム国籍をもつ犯人による連続殺人事件にフランス中がテロの恐怖に怯え上がってテレビの前に釘付けになった。
ものの見方の問題だが、原因を先としてその結果が後に常にあるものという見解ではなくて、結果というものが原因と同じ時性に存在していたという視覚が必要である。さらにいうと事の結果というものは独立して存在しているのではなくて原因に先行しているということである。上のメラ青年の事件だと、メラ青年がイスラム過激派との交流を知っていながら、またこれを監視していたフランス政府はなぜそれの結末を事前に予測し予防しなかったのかということだ。つまり結末は原因の中に先行して見えていたはずである。
キー・テーム= モハメッデ・メラ(Mohamed Merah)、トールーズ、仏大統領選挙、イスラム、アフガニスタン、パキスタン、仏国内情報秘密局
キー・テーム= モハメッデ・メラ(Mohamed Merah)、トールーズ、仏大統領選挙、イスラム、アフガニスタン、パキスタン、仏国内情報秘密局