2013年11月12日火曜日

ルモンド売却で仏大統領の牽制は失敗、90%以上のジューナリストが選択 メディアと政治の構図で

ルモンドの売却先の決定は、同社新聞監視諮問委員による21日の討議の後で、25日14時からルモンド社の編集者・ジューナリスト連盟による投票となった。360票の90.84%の賛成で入札候補のベルジェ-ニエール-ピガスの3人組みに決まった。この三人組みは若い世代の人で、現代的な感覚があり、エリゼ宮殿側から距離を持った政治的立場にあることなどがルモンドの編集者達の好みにも適合したという。エリゼ宮殿からのルモンド紙社長エリック・フォトリノ氏への呼び出しがあって、政治とメデアの構図に圧力が掛かっていた。これが社内で、恥ずべき行為だとの批判が高かまっていた。11日のフランス通信(AFP)によると、サルコジ大統領がフォトリノ社長に対し、「自分の目からはピエール・ベルジェとマチュー・ピガス、グザビェ・ニエール各氏は適当ではない」と語ったことを、フォトリノ社長が同社の編集長に漏らしていた。(本文の初出 / 公開日時: 2010年6月30日 @ 0:0 )

ルモンド社は夕刊新聞を出しているが他に、視聴覚メディア評論の高級紙「テレラマ」、世界版をもつ国際情勢の批評誌「クーリエインターナショナル」などを発行していて、ルモンドの独立性が産業主義や政治的な思惑に影響をうけ脅かされることを内部のジャーナリストたちは心配していた。イタリアのベルルスコーニ大統領による政治のメディア支配がフランスでも懸念されていて、ベルルスコーニザションのフランス版が心配されている。

ジャーナリストたちは何度も三人組みと会談したという。そして考え方や将来の構想などで意見の一致点が多かったと語っている。

三人組みは左派系とみなされていている。ピエール・ベルジェ氏は慈善家で知られる。マチュー・ピガス氏はBNP社長で銀行家。グザビェ・ニエール氏はフランス移動体機器のフリー通信会社の創立者だ。

対抗候補であったコンソーシアム側は、「ヌーベル・オブセルバトワー誌」社長のクロード・ペルデェリー氏、ルモンド社株15%を持つスペインの大手メディア・プリザ、フランス移動体電話機器通信会社のフランス・テレコム(オランジュ)であった。

ベルジェ-ニエール-ピガスのトリオが選ばれてから、すでに1千万ユーロ(約12億円)がルモンド紙に再建投入されたが、今後、秋口前までに資本再編成交渉がなされ本格的な再建に取りかかる。ルモンド社は推定で最低でも6千万ユーロ(約72億円)の資金が必要だという。

(参考記事)
(ラジオニュース・フランス・アンフォ)
(ラ・プロバンス.com)
(レゼコー.fr)