市民のアンスティチューションを理解しないラホイ政権が敗北したのは、彼がスペイン国家の経済の安定と統合だけを主張していて、これがカタルーニャ独立派の言語・文化の独立性の主張とは逆だったからだ。この話が21日に行われたスペインでのカタロニア選挙結果を分析する国営ラジオ・フランス・アンフォの討論会で出たのでした。 非常に重要なことだと思います。しかし日本の新聞がこのような事を語らないのは見解が貧弱なのではなくて、現体制の新聞だということかもしれません。不思議です。(パリ=飛田正夫)(仏時間22/12/2017 03:50)
制度の広い意味でいうとアンスティチューションという事になると思います。ここにしばしば誤解があるのだと思いますが。例えば昨日21日のカタルーニャ独立を巡る選挙ではスペインのラホイ政権は国家の経済的安定とスペイン国家の独立維持の為にカタルーニャ独立を反対し警察を出動して前回の民主的選挙に弾圧を掛けて、その為に独立派のピジャダモンとその側近4人がベルギーに亡命し、また他方の左派の重要人物もマドリッド近郊の牢獄に入れられてしまったわけだ。ラホイが主張してカタロニア地方の言語や習慣や文化のアンスティチューション的独立を嫌ったのは、このアンスティチューションがスペイン国の統一を破壊することを知っていて、それでこれに暴力的圧力を掛けてきたわけである。ここに民主主義存立の危機がありそれがまた今回の選挙の本当の意味での一大争点であったのです。このことを見逃してはならないと思う。だからこの選挙でラホイが負けたのである。
今回の選挙でしばしば話題になったスペインの国旗とカタルーニャの旗を同時に持った人々や、両方の政治的異なりを超えての結婚とかがあったのは、それは彼等がカタルーニャ地方を愛しスペインを愛したからであり、そこにまた言語・習慣の独立の尊厳を認め要求したからでした。つまり民主主義は国家によって市民の言語や習慣を支配・統制はできないのだということなのです。しかしラホイはこれを認めず経済的な統合だけに眼が行ってしまって、カタルーニャ独立をこの誤った視点からしか見れなかった。それでカタルーニャ独立派市民によって敗北させられたのです。
こういう視点からカタルーニャ独立選挙の民主主義をアンスティチューションから守った重大な意義を見ているジャーナリストや新聞は日本では少ないのです。