2013年11月12日火曜日

フランス革命記念日、恒例の花火大会、「闇の中にこそ光が」

花火

フランス革命記念恒例の花火大会、(写真撮影/筆者2010/07/13)  
フランス革命記念恒例の花火大会がフランス全土の市町村で開催される。13日の前夜祭もしくは14日当日の夜におこなわれるが、太陽が夏時間のせいもあり10時過ぎないと暗くならない。パリ西近郊の新興都市での花火を撮ってみた。(本文の初出 /公開日時: 2010年7月16日 @ 20:34  )


市民は、家族や友人などと連れ立って会場に出かけるが、日本のような物売り屋台が並ぶわけでもなく参加者も普段着の姿であり、特に浴衣を着て団扇を片手になどといった風情があるわけではない。花火大会は終了すると直ぐに人々は家路を急ぐだけである。

パチンコもマージャンもなく日本のような飲み屋、カラオケはない。映画とレストランが娯楽なのかもしれない。花火大会はけっこうその土地の人たちで賑わう年に一度の重大行事なのだと思える。しかしなんとも風情にかけるものだ。伝統と文化の違いだとして一言では片づけられない気持ちである。
フランス革命記念恒例の花火大会。(写真撮影/筆者2010/07/13)
例年は、家のベランダや窓から近隣の市町村が打ち上げる花火が三つ四つ見えるのでそれを見ていたが、今年は出かけていってみた。黒い空間にしゅるしゅるしゅる~と黄色がかった光が音をともなって上空へと進んでいく。それまではどんな形ちか色なのかはわからない。それが一瞬の楽しみでもある。その色を確認する間もなく花火は姿を変えて消えてしまう。

この全体が花火なのだが、私のこの写真では蓮華(れんげ)の花のような花火が、咲き切った一瞬である。蓮華は仏教では比喩蓮華として因果倶時(いんがぐじ)の象徴となっている。

わたしが驚いたのは、この空間の一瞬に種があり華があるのだが、この黒い空間は明日になればカラーの世界でもあるということである。つまり闇が光を隠しているのではなくて、闇の中にこそ光が存在していたという認識の驚きであった。
フランス革命記念恒例の花火大会。(写真撮影/筆者2010/07/13)