2013年11月12日火曜日

サルコジ仏大統領のエリゼ宮殿浪費に批判、1分毎に10万円以上の移動出費も

サルコジ大統領の移動費では、1分毎に最高で855ユーロ(約10万円)以上の出費が算出されている。どうしてこうなるかというと、大統領は自分をメディアで大きく扱うために大勢の人を連れ歩き、またその舞台を準備する必要があるからだ。この移動費用は2009年度の2倍になっているという。施設訪問などでの移動では大勢が動く、これは大統領だけでなく大臣クラスでも同じだ。(本文の初出 /公開日時: 2010年7月16日 @ 7:15 

フランス社会党の税金問題の専門家ルネ・ドジエール議員はこの度、大統領官邸エリゼ宮殿の経費の無駄遣いを指摘し、会計院の取り締まりの野放図さを批判した。

サルコジ大統領のエリゼ宮殿の維持費は文化予算からとってある。特に飲食費が膨大で、それには500万ユーロ(約6億5千万円)が2009年度に使われている。同様に多いのが移動費用で(2009年は1千9百万7千ユーロ(約26億円)でこれは、全体の出費(145億円)に対しては18%だという。サルコジ大統領のジェット機の費用などはエリゼ宮殿の予算からだけではなく防衛費からも出ているという。

昨年の同様な調査では驚くべき論争になったほどの浪費ぶりであったが、今年の調査ではそれでも前年比で22万2千ユーロ(約2600万円)ほどよくなったのだという。昨年はオファーなしで調査会社を利用しての出費が巨大な額を占めていた。

このような浪費が問題になって多くの批判がでたために、今年はシャンペン飲み放題の7月14日の革命記念日(パリ祭)でのエリゼ宮殿ガーデェンパーティーは取りやめになった。

7月4日、二人の大臣が、国税濫用をメディアに暴露されて辞任したのも彼らの悪行が市民の批判に晒されたからである。ハバナ産の葉巻を公金で吸煙していたのがクリスチャン・ブラン大パリ圏閣外大臣である。またサルコジ大統領の側近のアラン・ジョヤンデ協力・フランス語圏担当相は、黄金の洗面器の備わった高級ジェット機116500ユーロ(約1500万円)を使用して、マルチニック諸島での国際会議に出張していた。これらの大臣は大統領の所作を手本に習ってそのまま実行したともいえそうだ。

自ら辞任を声明した大臣らは一応の潔癖性をもっていたのかもしれない。
しかしどこの国でも指導者に恵まれない国民の不幸というのには別に原因があるようだ。優れた指導者の必要性を否定はしない。しかしそれだけでは不十分だ。国と市民の運命というものがあり、政治だけではその根本的な転換をしてゆくことはできない。

サルコジ大統領の7月はじめの世論調査での支持率は36%で就任以来の最低であって、国民の不満の評価が現われている。大統領が裁かれる番だが、第5共和制下のフランスの制度では大統領の権限が大きく無理である。

(参考記事)
(ヌーベル オブセルバトワー誌)
http://tempsreel.nouvelobs.com/actualite/opinion/20100715.OBS7185/interview-la-cour-des-comptes-epingle-surtout-les-couts-de-communication-de-l-elysee.html
【rfi ラジオ・フランス・インターナショナル】
http://www.rfi.fr/economie/20100715-budget-elysee-progres-mais-peut-mieux-faire-observe-cour-comptes