2013年11月12日火曜日

グルノーブルで銃撃戦 仏警察に復讐する青年

昨夜12時ごろ、フランス東部の中都市グルノーブルで10人ほどの青年による路面電車などへの投石があった。青年たちは乗客を下ろそうとしたが、警察が現場に駆けつけて争いとなり銃撃戦となった。青年たちは、同市のビルヌーブ地区で前日に起こった撃ち合いで警察の銃弾で頭部を撃たれた青年の復讐をはかったものと見られている。(本文の初出 / 公開日時: 2010年7月17日 @ 22:34 )

昨夜、30人ほどの覆面をした青年たちは路面電車を止めただけでなく、周辺の10台ほどの自家用車を焼いたという。警察は消火作業にあたる消防員のエスコートにあたっていた。この時にまた銃弾が撃たれて、朝方2時から4時ごろまで撃ち合いが続いた。青年たちは少なくとも使用した銃は二種類があると見られている。

死亡者はでなかったが朝までに、40台もの自動車と多くの商店が焼かれ盗難があった。犯行に出た青年たちは現在も同地区に潜伏しているという。撃たれて死亡した青年カリム・ボウドウダ氏(27歳)はグルノーブル近くのウリアージェ・レ・バンのカジノで強盗をして警察に追われでアルルカン地区で死んでいる。もう一人は逃走中だ。

カリム氏はこれまでに3度盗みで訴えられていた。警察の正当防衛に抗してそれを認めない青年たちがグルノーブル南部のビルヌーブ地区に集会していたのが暴動に発展したとみられている。

2005年の移民大暴動はパリ北郊外のクリシー・スー・ボワで二人のサッカー練習帰りの少年が警察に追い込まれ発電所に逃げ込んで感電死したことから始まった。わずか3ヶ月でフランス全土300箇所の暴動事件へと燎原の火のごとく拡大した事件である。

この移民暴動はフランスを震撼させた。今のサルコジ大統領が内務大臣をやっていた頃である。今度の事件は銃撃戦とはいえ警察の発砲した銃弾が市民の頭に当ったものだ。サルコジ大統領の重鎮であるブリス・オルトフゥ内務大臣は17日中に現地に赴くと報道されているが、警察と青年暴動はフランスの根強い問題である。青年の暴動は象徴化されメディア化されて時の政治に利用されやすい。事件の真相究明とその解決にこそ全力を注ぐべきだろう。今後の動きを見守りたい。