【今日の雑談/3月18日】一週間前の3月11日のルモンド紙がサルコジ前大統領とその弁護士チェリー・ヘルゾーグとの電話盗聴でのサルコジの権力によるモナコ国審議員への一押し取り引きを暴露した。今回はインターネット新聞のメディアパー社が、サルコジが偽名で購入して使用していた別の携帯電話での同弁護士との会話を暴露したことが大事件になっている。そこでは秘密局(キャビネ・ノワール)を設置してサルコジ懸案のベッタンクール事件で判事を統制・制御するという話が録音されていた。モナコ審議会員の席と引き換えに弁護士や判事を使っての仏最高裁判所内部のベッタンクール裁判の動きをスパイしていたことが国家謀略の疑いとなっている。
この一週間、フランスのテレビ・ラジオ・新聞の保守メディアは一丸になってサルコジへの盗聴事件を同氏への人権侵害事件に置き換えたり、弁護士への盗聴を違法だとした視点で誇大に報道してきた。しかし弁護士と一般市民との間に権利の違いはなく、サルコジ前大統領は既にその特別保護権を喪失していた。クリスチャン・トビラ法相や政府は司法への介入がないのがサルコジ時代との違いであると政治からの司法の独立を宣言している。「メディアパート」の新事実の暴露はサルコジにとって非常に都合の悪い大きな証拠となった。
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