2014年5月22日木曜日

パリ郊外の校庭に水銀が浮遊 前世紀産業汚染地区で学校封鎖

パリ近郊のオート・デ・セーヌ県アニエール(Anières)市の学校で、水銀が校庭に浮遊しているのが発見された。同市は150人の生徒を避難させ学校封鎖に3週間前になっていたことがわかった。この学校のある場所は前世紀の産業都市として自動車のラジエター工場があった。工場は1995年に封鎖。その跡地に立てられた学校で開校後数ヶ月しかたっていなかった。

専門家のアンヌ・ロール・バラルさんはこれが唯一のパリ近郊都市での例ではないと仏国営ラジオ・フランス・アンフォ(RFI)に5月21日に話している。同氏はフランスの前世紀の工場が垂れ流した化学物質での産業汚染地区をすべて列挙することは非常に難しいといっている。

同市の技術課の専門家はアニエールは他の郊外都市の多くと同じように旧工場地区(シット)であり通常、重金属や燃料の一部が見つかる。それを使用した時代は歴史的に見て監視することがなかったからだと地盤下の歴史が不明であることを話している。

2000年当初にはパリ東部のバンセーヌで学校の子供に多くの癌が発生してからコダックの工場跡地に学校が立てれていたことがわかっている。このことで仏政府は化学汚染が地下に垂れ流されたままになっていたからだと認識して、それ以来フランス全国の1700校を対象に地下の歴史の発掘とその調査が開始された。

前世紀の産業が捨て忘れた化学物質がいまだに地上に残っている理由には、自然環境に対する理解が起こってまだ2~30年しかたってないということがあると専門家は指摘する。アニエール地区の家庭菜園の野菜などは安全なのかという不安や、ここから避難すべきだという市民の声もでている。