2014年7月20日日曜日

社会乖離の政治が指導力と信頼を無くす UMPベルトラン元労相がサルコジの政治復帰を危惧する理由

2017年度仏大統領立候補者の国民運動連合(UMP)内の予選で反サルコジの筆頭に明快な名乗りを上げているのが元労働相のグザヴィエ・ベルトラン元労働相である。ベルトラン氏はどうしてサルコジを支持せずに自分が候補者を名乗るのかの理由をリベラション紙にいくつかあげている。ベルトラン氏は2006年にシラク派から最初にサルコジ派についた大物でサルコジ政権下では説得力のある熱弁をふるうUMPの重鎮では珍しい論客であった。このベルトラン氏がサルコジ氏の政治復帰に反対し、その理由を述べた。


車を何台も連ねまるで王侯貴族のような夏のヴァカンスを国家の金を使って私有海岸付きのブリアンソンのシャトーで贅沢三昧に過ごすサルコジ夫婦や、年末のヴァカンスではチャータージェット機を使って独裁者たちからの招待家族旅行を楽しむ大臣たちという、庶民からあまりにも乖離したこれまでの国民運動連合(UMP)のイメージを終わりにしたいと考えているようだ。国民運動連合の党の名前に反するからである。その意味で今の少数の党員ではだめで50万を目標にしていると答えている。

みんなは私を馬鹿にするが、私のヴァカンスはデズニー・ランドのような所である。これは社会の反感を買うことはないといっている。社会乖離の政治というのは指導力と信頼を無くすものであると、2007年にはサルコジのスポークスマンであったベルトランはこれまた説得力のある論理でこれまでのUMPのあり方を批判した。

またグザヴィエ・ベルトラン氏がUMP書記長の時代には党の赤字が減少したが、UMP事務総長ラヴリヨウ氏に2012年のサルコジ大統領選挙運動での二重帳簿の違法性を内部暴露されたジャン・フランソワ・コッペUMP前議長は辞任した。UMPに残ったのは莫大な選挙費用の借金と、莫大な二重帳簿の差額の使途不明金である。破産だけでなく疑惑がそこに渦巻きだした国民運動連合(UMP)なのだ。このようなUMPを立て直すために党名の変更も考えられているが、創立12年がた経過してその創立者と新たな創立者による再建が必要になっていると考えている。これまでのUMPはパリ中心主義で垂直権力志向で民主主義 的であったとはいえなかったと自己批判した。UMPには改革が必要でより民主主義な、そして非中央集権化の改革運動が希望されると話す。

UMPの将来を心配するグザヴィエ・ベルトラン氏は、その意味でも党内の大統領立候補希望者から選挙で選ぶべきであり、このプリメールの手続きを経ることは絶対に必要だと考えている。サルコジ氏は拘置され起訴されたがそれでも人気があるのでプリメールなど必要としないで直接大統領選挙に出すべきだとするオルトフー元移民大臣などの一部の意見がある。ベルトラン氏は、サルコジ氏が出るのはいいが、プリメールを経ずにこれを拒否しているのは民主的ではないといっているわけだ。