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サン・レミー・レ・シュブルーズの谷を流れる イベット川(l'Yvette)。洗い場がいくつも
残っている。(写真撮影は筆者) |
サン・レミー・レ・シュブルーズを歩いた。天気がよいので午後に出かけた。秋が近づいているのがわかる。栗はとっくに実を落としていて今年は例年よりも実のなるのが早かったようだ。サン・レミー・レ・シュブルーズはイブリーンヌ県の昔サミットのあったランブイエにも近い。そこの谷を流れるイベット(l'Yvette)という川があり、この水を利用した皮産業の痕跡を残している。しかしサン・レミー・レ・シュブルーズはクーベルタンのブロンズ彫刻製造所があることでも有名だ。その理由は今回、山を歩いて偶然にわかった。土が粘土質だからだ。私はこれを見にきたのではなく山野をただ歩こうと思っただけである。森は道が整備されていて迷うことはない。この森で突然に仮装した20人ほどの青年たちの集団が私の方に現れ出た。何人かは地面に四つんばいになりその背中の上で他の者が紙に文字をなにやら書いている。別の集団は僧侶の衣装を付け、また黒い装束に身を包んだ年長者らしき者の前に若い青年たちが輪になって話を聞いている。とっさに私の耳に飛び込んできた彼らの話しは「この巡礼者は賢かった」という一言だけであった。
私が不審がって彼らの脇を通った。私はすぐに引き返して写真をとりながら、こんなところで何をしているのかセミナーなのか?と聞くと遊んでいるのだと答えた。毎日ここにくるのかと聞くと、どうも週末だけだということらしい。それにしても男子だけでしかも子供ではない。彼らはどんなゲームをしていたのかキリスト教徒のボーイスカートらしい。首にグリーンのネッカチーフを巻いていた者を見たからだ。周囲は森の大木が切られて冬に人家で使用する薪が何箇所も積み上げられている。森のなかにはかなり大きなテントが3つ4つあった。彼らが使用するのだろう。
サン・レミー・レ・シュブルーズの山野には、ところどころ迂回すれば車も入ってこれるのでピクニックも簡単にできる。ドングリや樫の木が生い茂り山麓には牧場があり山の上は台地で平らな平地になっている。そこでは農家が甜菜や麦を広い畑地につくっている。トウモロコシ畑は季節が終わり褐色に枯れて立っていた。これは家畜に食べさせるための飼料となる。
シャトー・サントマドレーヌでシュブルーズの谷道をノルマンがパリに攻めてくるのを見張った。中世の四角い天守閣が見える。こちらの上も台地でジャンセニストが住んだポール・ロワイヤルに通じている。
森の中の城(Château de Méridon)では結婚式が行われていた。80人ぐらい収容できる大きなホールがあるという。宗教的な結婚式なのかと会場に集まった人に聞くと、結婚はシビルなのでここでは宴会をするのだという。中世起源の城だが16世紀17世紀に大きな改装があったようだ。
森(Bois du Vossery de Méridon)への入り口。
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麦畑 |
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甜菜 |
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養蜂箱 |
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森と甜菜畑 |
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森の中で、青年の集団が突如現れる |
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詳しくはわからないが、青年たちはなにやら宗教を背景
にしたゲームをやっていたようだ。 |
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青年たちのテントか? |
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ヒイラギが赤い実をつけていた |
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農家の牛たちで青草を食べていた |
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農家にはウサギが飼われていた。訪ねた子供たちに
見せるためでもあるのだろう。 |
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農家の直売所で、ここで生産されたものを売っている。梨やりんご、サン・マルセランやヤギの各種チーズ、牛のチーズや蜂蜜も置いてある。牛乳も搾りたてが置いてあった。ここがクーベルタン農場(La ferme de Coubertin)であった。 |