2014年10月1日水曜日

仏上院議長プリメールでラファラン元首相が完敗 サルコジがUMPプリメールを恐れるわけ

今回の上院議長を決めるUMP内プリメールの判断は大事である。これでサルコジがどうして2017年の仏大統領選挙でUMP内プリメールを立候補宣言を引き伸ばし回避しようとしているのかがわかる。ラファランの二の舞を踏むことになることを恐れているからだ。30日の仏上院議会議長を選ぶ国民運動連合(UMP)党内のプリメールでは80票を獲得したジェラール・ラルーシェ氏の完全な勝利となった。早くから上院議員議長に立候補していたジャンピエール・ラファラン元首相はサルコジに支援されていたが56票しか獲得できなかった。フィリップ・マリニー氏は7票。フランス上院議員のUMPの全票数は145票。


昨日29日は三分の一の上院議員の入れ替え改選で国民運動連合(UMP)党が躍進し、上院議会では左派を上回る結果をだしていた。この結果は30日のUMPの党内予選選挙(プリメール)では上院議長には、サルコジ支持のラファランではなくて、やはり上院議長にふさわしい人物として疑惑の影のある人物との付き合いのないラルーシェ氏が選ばれた。ここに上院議員たちの民主主義 を求める高い判断があったといえる。

フランスでは上院の機能は下院の見直し機関で、上院が拒否しても差し戻しで下院が採決すれば法案は通ってしまう。そのために、最近は上院議員は国民から直接選ばれたものでもなく金のかかるものだとの考えも報道されていた。

しかし、今回のような国民の監視の行きにくいことに知識人や有識者で構成されている上院議員の目は光っていたといえる。

フランスの国民は忙しい。サルコジの支配するメディアや有料新聞が流すニュースも多い。サルコジ任命の局長やレジが作っている国営テレビを毎日見させられている。真実を伝えようとするメディアはあるがまだまだ少ないようだ。単純にサルコジ派が敬遠されていると見るだけでは収まらないものがあるようだ。