2015年5月7日木曜日

ベルナール・タピ608億円の「公金横領」疑惑で仏裁判所が新たな起訴

「組織的詐欺計画」罪で2013年に起訴されていたベルナール・タピ氏は、今度は「公金横領」罪で2015年4月6日に新たに起訴された。1993年に世界的に有名なスポーツ用品会社アディダスの売却操作で当時の国立リヨネ銀行とタピ氏との間の係争を解決するために裁判が起こり、通常のフランス国家の裁判所ではなくて私設裁判を組織して行われた。2008年7月のこの判決で結局タピ氏は、賠償金4億500万ユーロ(約608億円)をフランス国家から獲得した。どうしてこんなに巨額な賠償金問題を私設裁判で判決をだしたのかと「偽造裁判」が疑問視されている。
これには現国際通貨基金総裁で当時の経済相クリスティーヌ・ラガルド氏の判断や、ゲアン元内相やサルコジ前大統領の国からの選択決定があったのではないかと疑問視されている。それで、「組織的詐欺計画」罪の疑惑によって、ベルナール・タピと他の5人がすでに2013年に、起訴されたている。タピ氏の私設裁判判決事件そのものは、この2008年7月の私設裁判による判決を無効とする再判決が2015年2月に出された。

タピ氏を裁く私設裁判を担当した3人の判事の中心判事が元ベルサイユ高等裁判所総長ピエール・エストゥップ氏で、エストゥップ氏はタピの弁護士モーリス・ラントゥルン氏の10年来の友人であったとルモンド紙(Le Monde)は暴露している。タピ氏の本がエストゥップ判事に寄贈されていてその本の扉に判事への謝辞が認めてあったのが発見されている。

パリの財政担当調査判事は、2008年7月の私設裁判での判決は、エストゥップ判事がタピへの温情を施して判決をだしたと見ている。エストゥップ判事もタピ同様に起訴されている。

タピ氏はサルコジ前大統領がいる大統領官邸エリゼ宮殿に何度も会見に行っている。2007年7月末にはこのリヨネ銀行との係争に関するクロード・ゲアンエリゼ書記総監の会議にも何度も出席している。

2013年に、「組織的詐欺計画」罪で起訴されている者には、タピ氏の弁護士モーリス・ラントゥルン氏。タピ氏の私設裁判官をやったピエール・エストゥップ判事。仏通信機器会社「オランジュ」現社長で事件当時はクリスティーヌ・ラガルド経済相付き官房長官であったステファン・リシャー氏などがいる。クリスティーヌ・ラガルド現国際通貨基金(IMF)総裁は仏共和国裁判所(CJR)から、この私設裁判を選んだことを知っていたと見られ起訴されている。


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