2015年5月8日金曜日

サルコジの携帯電話盗聴でパリ高等裁判所判決 「汚職」と「権力関与」のサルコジ起訴は続行

2015年5月7日パリ高等裁判所は、2014年に起訴になったサルコジ前大統領とその弁護士チェリー・ヘルゾグ(Thierry Herzog)との携帯電話会話が司法警察によって盗聴されていたことに、問題はないと判決をだした。サルコジの「汚職」と「権力関与」の疑惑による起訴は却下されずに、これまで数ヶ月に渡って凍結されていた検事の調査は再開されることになった。サルコジはこれに対して何も問題はないと平静を装っている。国営ラジオフランスアンフォなどが報道している。

高等裁判所の決定は、ニコラ・サルコジにとって確かに驚きだ。この数ヶ月にわたり司法界の噂では、高等裁判所はサルコジの盗聴事件を無効にするだろうとみていたからだ。

この盗聴事件の発端は別のサルコジ事件である2007年の国民運動連合(UMP)のサルコジの大統領選挙運動不正運動資金疑惑で、パリ検事セルジュ・トゥルネルが合法的に調べていたが、その盗聴にサルコジとその弁護士との間で、当時、裁判になっていたベッタンクール事件で、その当事者であったサルコジは裁判所内の動きを察知させるために、高齢で退職後の天下りにモナコ国の審議員になりたがっていたジルベール・アジベール(Gilbert Azibert)裁判官に対し、一押し推薦してあげるから、裁判所内の情報を提供するように工作している会話が、警察側に盗聴録音されたもの。

盗聴に架かったサルコジの二番目の携帯電話だが、これはサルコジの弁護士のチェリー・ヘルゾグがポール・ビィスムス(Paul Bismuth)の偽名で買って、サルコジとの連絡用に使用させていたもの。

このことで二人はナンテールの税金と財政汚職違反取り締まり仏中央局に拘置され、「汚職と」「権力関与」で起訴された。

これを違法だとサルコジ側は主張していたのが否定されて、検事側主張が正しいと認めたのが今回のパリ高等裁判所での判決だ。

たとえサルコジ側が最高裁判所に上訴しても、起訴は却下されなくなった。同時に、数ヶ月凍結されていたサルコジと弁護士チェリー・ヘルゾグに対する検事調査が再開されることは止められなくなった。ヘルゾグ弁護士の弁護士であるポール・アルベール・イワン氏は唯一残っている方策は欧州人権裁判所(CEDH)に訴えることだと語った。

【参考記事】
http://www.lemonde.fr/police-justice/article/2015/05/07/affaire-des-ecoutes-journee-decisive-pour-nicolas-sarkozy_4629013_1653578.html

http://www.franceinfo.fr/actu/justice/article/la-cour-d-appel-valide-les-ecoutes-telephoniques-de-nicolas-sarkozy-676719