2015年9月10日木曜日

フランスはワイン祭りの季節 不可解なスーパーマーケットの商法 

中型スーパーマーケットの品揃え
9月に入って毎年恒例のワイン祭りの市が、フランスのスーパーマーケットで開催され始めた。私もワインは好きなので3店ほど覗いてきた。大手スーパーではワインに詳しい専門家を外部から呼んで客の相手をさせている。中型のスーパーでもそれなりにワイン展示特別コーナーを設けているが客足はそこにストップされない。私が見た町の小売店はというと、何もない。何もワイン祭り的な華やかさがショーウィンドーにも店内にも一切見られないのである。2人の店員が店の置くの薄暗いテーブルの前に揃って並んで座っているのだ。視線は入り口の方を淋しそうに見ているのだ。もちろん店には誰も客がいない。ひっそりとしたその雰囲気は大手のスーパーマーケットとは余りにも対照的であった。(パリ=飛田正夫 )

こういうことだから、私は少しお邪魔虫にでもならなければいけないのではないかと思って、次のことを書くことに決めた。

ある大手のスーパーマーケットでワインを3本買うと値段の非常に興味深いワインがあったのだが、これが1本だけ残っていた。木箱からワインを出して並べている店員に聞くと、正直に答えてくれた。このワインは倉庫に在庫が無く今後入る予定はない。これは初めから1箱しかなかったものですぐに売れてしまったというのである。

しかし立派なワインの案内パンフレットにはそんな事は一行も書いてないのである。その案内書の中にはすぐ脇に同じ産地の同じセパージュの製品だが別会社の異なるワインを、今度は6本で特別価格で売ると掲載されていた。店員は、品切れになったワインの価格条件が書いてあるチケットを棚から剥がしながら、こっちの方なら倉庫にたくさんあるので出してきてもいいと言った。

この手のワイン祭り市場には、いくつかこうした客寄せ品があって、これがパンフレットに掲載されているようだ。お客はいくらいるかはその数は私はしらないが、品物は1箱6本しかないとはお粗末なことだ。客を騙していることにならないか?

それにしても私の脳裏からは、あの小売店の2人の店員の恨めしそうな目で、店の入り口を見ていた視線が、しばらくの間消え去らなかった。