2015年10月4日日曜日

仏の著名な社会学者エドガー・モラン氏 シリアのアサドを語る

Edgar Morin, philosophe, historien, sociologue et directeur de recherche émérite au CNRS, est l'invité d’Audrey Crespo-Mara sur LCI.
社会学者で哲学者のエドガー・モラン氏(94歳)はLCI(TF1系テレビ)に招待されての発言が、ル・ポワン誌(電子版01/10/2015)に掲載された。モラン氏は、シリア危機に関して見解を述べているので、これの部分を紹介することにした。エドガー・モラン氏は紹介するまでもなく世界的に著名な国際的な社会学者で哲学学者、歴史家で、現在はフランス国立科学研究センター(CNRS)の名誉研究所長である。(パリ=飛田正夫 2015/10/04 11:33日本標準時 )
http://www.lepoint.fr/images/2015/10/01/2162063lpw-2177195-article-jpg_3083942_660x281.jpg

http://www.lepoint.fr/societe/edgar-morin-en-syrie-l-urgent-c-est-le-cessez-le-feu-01-10-2015-1969733_23.php
Edgar Morin : "En Syrie, l'urgent, c'est le cessez-le-feu"


質問者は、LCIテレビのオウドレー・クレスポ・マラ氏。


-オウドレー あなたは第二次世界大戦でレジスタンスに参加したことをあなたの著作「野蛮の再来」で話している。2015年には、野蛮はイスラム主義の様相を取った。国連で、世界はシリアでの反イスラム主義の連帯で、合意しようとした。しかしそれは、アサドを入れたものなのか?そうでないのか?シリア人権擁護監視団体によると、2014年8月から2015年8月までの間に、アサド政府軍に殺害されたのは80%で、イスラム主義国家組織(IS/EI)による殺害は10%だけだという。
-モラン 先ず急ぐべきなのは、戦闘を止めることである。そこで殺戮を止めることで、難民に彼等の国に帰る希望を可能にするからだ。アサドが国外に出ることは、私の意見は、停戦の付随的なものだということだ。問題はロシアが戦略的な利益をシリアに持っていて、ロシアはシリアの全体を抑えたいことである。ロシアはそれはアサドの権力を保護することで実現できると考えていることだ。私は、この問題を次のようなことによって、回避できると考える。つまり、平和のための、中東の諸宗教と諸文化の一大連合体を実現させることだ。これを国連(ONU)が保証する。アサドの退出はそこでの結末による。問題はいずれにしても、百万の命を救うことである。
-オウドレー 4年間ですでに23万人から26万人がシリアで死亡している。400万人以上が難民になった。フランスは難民に対し、どんな態度を取るべきなのか?この戦争危機で、フランスを≪公式に左≫だとあなたは見ているが、政府は左なのかそれとも違うのか?
-モラン 政府を左だと見ることは難しい。更に私にそう言えなくさせるものに、私が根拠のない信仰の徳目として見ている新自由主義経済と、公務員の数を少なくし給料を下げ、生活水準を低下させる緊縮財政とがある。成長において何を進め、何を後退させるべきかのという、成長の仮設が誤っていると私は思う。たくさん後退させるべき国際的に良くない、無駄な多くの経済部門がある。というのは国際的にはフランスは、エジプトの独裁者に、スーダンの封建体制に、中国の独裁者に、媚びを売っていて、こういう状態では、私は特にシリアに道徳的に厳しい対処はできないと考える。
このモラン氏の発言は、ロシアのプーチン大統領を招待してパリの大統領官邸エリゼ宮殿で行われたオランド仏大統領とドイツのメルケル首相らがシリア危機で緊急会議を行った10月2日を前にして行われたものだ。
会議では、「ロシアのプーチン大統領に対し、ドイツのメルケル首相とオランド仏大統領は同じ意見で臨み、シリアのアサド大統領を支援するプーチン大統領に対し、「イスラム主義国家組織(IS/EI)だけを攻撃し、シリア反体制側蜂起市民を空爆しないよう」強く抗議していた。しかしプーチンはその後もシリア内のIS/EIだけでなく、シリア反体制蜂起者側もテロリストと呼んで空爆を続けていて、欧米の反感をかい続けている。

【参考記事】

http://franettese.blogspot.fr/2015/10/blog-post_3.html

仏エリゼ大統領官邸会談 ロシアのシリア空爆で 独首相と仏大統領がプーチンに抗議

http://franettese.blogspot.fr/2015/10/blog-post.html
ロシア空軍がシリア市民を空爆 プーチンはテロリストだと発言