2016年2月11日木曜日

パリのロマ人のことで、気が付いたこと

何度かフランスのロマ人のキャンプを訪ねましたが、子供が多くみんな一様に貧しい感じですが、ある種の独立と連帯を強く感じました。ロマ人は今の様なフランスやヨーロッパでは経済状況も良くなくテロ襲撃事件もあって、悪の責任をロマ人に被せることもあるのかもしれません。なにしろ彼らは歴史あるヨーロッパの千年の昔しから存在した旅芸人であったからです。ジョルジュ・ラトールの絵にしばしばテーマになって出て来る「いかさま師」とか。或いはボッシュの絵にでてくる盲人が盲人をガイドする乞食たちの群れや大道芸人とスリの共犯者などの絵、彼等は社会のゴミ屑で、はみ出し者の乞食同然の境遇を背負った差別された人たちです。

只、社会の中では正当に生きられず、その周辺にたむろして時々悪さもするが、人々に活力を与えたりする存在のようです。スポーツ選手や歌手や映画スターなど、また大企業主がスイスに税金を隠したり、フランス一番の大富豪でルイ・ビィトンやシャンペン会社の社長がベルギーにパスポートを求めて税金逃れをしようとしたりしている。フランスでは税金を払わないスタバやマクドの方がもっとあくどい産業かもしれません。悪は隠れていてまたこれを隠す手助けをする政治家や銀行家がいるために悪にならないだけです。

ロマ人の犯罪が良いことだとして認めているわけではないのです。ロマ人たちは犯罪やスリの隠蔽工作をやっていない。その意味では文明に対する野生そのものなのだということです。