2015年11月9日月曜日

ドイツは難民受け入れ制限で 家族呼び寄せと滞在期限を「準保護待遇」にすると発表

増加の一途を辿るシリア難民を前にドイツ政府は受け入れ条件を厳しくする。ドイツはシリア難民受け入れで家族の合同化と彼等の滞在期限を「準保護待遇」に制限することになったとドイツ内相のトーマス・ド・メジエール氏は、11月6日に公共ラジオで発表した。「準保護待遇」扱いの者は、これまでの難民受け入れで家族呼び寄せができなくなり、滞在が3年から1年になる。(パリ=飛田正夫 2015/11/09 9:57日本標準時

8月には、難民希望者数55600人でその内の38650人が受け入れらていた。「準保護待遇」は53人だった。

ドイツは2015年には100万人の難民希望者がいて、加速的な増加になっていた。そのために経済移民を排斥するのを容易にする方策が議会で可決されてきていた。今度は「難民」自体を制限する法律が、5日の議会で決議されることになった。ドイツは難民受け入れの不平等が新来の難民から批判され警察と衝突する事件も起きている。

ヨーロッパのヒューマニズムは困っている人々に手を差し伸べることになっているので一応は助けることをしなければならないわけだ。しかし自分の国が困るまでは、援助の手は出さないのである。これは偽善というものだが、初めからわかりきっていたことであった。
それよりもオランド仏大統領が言っていたように、「政治的難民」を出した原因を糾し、これにメスを入れることが必要だったのだ。

具体的には、欧州共同体への移民・難民がシリアの独裁者アサド大統領が25万人ほども弾圧し殺害した。100万人以上が難を逃れて国外に逃亡したからである。またリビアのカダフィを空爆しリビア市民まで殺害した英仏連合軍はサルコジ前大統領に指揮されて、リビアのインフラまで破壊したままで、経済再建に力を注がなかったために、職を失い家を失った人々が地中海を渡って何十万という貧苦にあえぐ人々が欧州に流れてきたわけだ。

先を見ない政治家のやることの愚かさこそ非難されなければならない。これを世界人権裁判所に訴えている弁護士や人権団体もいる。それで多くの漂流民が地中海で死亡し世界の話題になったのである。


【参考記事】
http://www.franceinfo.fr/actu/europe/article/l-allemagne-va-durcir-ses-conditions-d-asile-pour-les-refugies-syriens-743783