2010年7月31日のサルコジ前大統領のグルノーブル発言では、移民の二世が警官などの公務員に対して危害を加えた場合には仏国籍を剥奪するが、フランス人の子弟の国籍剥奪はしないとしていた非常に人種差別を恥じらいもなく全面にだしたもので批判されていた。それでサルコジは今回のオランドの「国籍剥奪法案」に賛成していて喜んでいるわけだ。が、二人の違うところはオランドはフランス人全員に対して、テロのような国家反逆罪を犯した場合にフランス国籍が剥奪されるといっていて人種差別をしていないところだ。「共和党」(LC)議員のエリック・シオティ議員は4日午後15時30分に議会で発言し、サルコジのグルノーブル発言「国籍剥奪法」が出た時に批判した人々とオランドとは勇気があると讃えた。オランドのベルサイユ宮殿での発言を尊厳しなければならないと言っている。
しかし国籍剥奪の問題は人権の基本の問題であり、社会的な殺人を意味することにもなる。「国籍剥奪法」は極右派系国民戦線(FN)などは無意味な時間つぶしといっているが、これは世界で初めて生誕地権を承認し、二重国籍を許すことになったフランス国民がよく理解すべき大きな問題がここには隠れていると思える。一つは人権であり、人間の存在権の問題だ。まだ修正は不確実だが、これが為されると1958年以来ではフランスは第22回目の憲法修正となる。
【参考記事】
サルコジのグルノーブル宣言
http://franettese.blogspot.fr/2011/02/blog-post_10.html
オランドはベルサイユ宮殿では、現在戦争にある中で、左右に分裂しているフランスの状況を一体化させるカギが、フランス国の基礎になっている憲法の見直しにあると発言していた。バルツはこれを憲法法制化することは急務であると言っている。
ボルドー市内にある国立司法官養成学校で演説したオランドは裁判所の失うものはなにもないと構想法案を擁護した。
5日の議会ではエコロジスト議員のセシル・デュフロ(Cécile Duflot)は、これは必要ないものであり、危険なもので、バルツはヴィッシー政権を手本にぼやいていると批判した。このデュフロに答えたバルツはヴィッシー政権は共和制ではないと何度も応酬している。仏南西部新聞(SUD OUEST)によると、バルツは「国籍剥奪」は右翼の思想ではない。これは共和国の歴史の中に根を下ろしたものであると言っている。またバルツはこの「国籍剥奪法」はフランスで生まれたフランス人二重国籍者だけに関係するものだとしている。
【参考記事】
http://www.challenges.fr/france/20160205.CHA4772/en-direct-decheance-de-nationalite-les-republicains-sement-le-doute.html
http://tempsreel.nouvelobs.com/topnews/20160205.AFP5564/valls-face-au-terrorisme-les-francais-demandent-une-unite-sans-faille.html
http://www.leparisien.fr/politique/decheance-valls-promet-le-principe-de-l-egalite-de-tous-les-francais-05-02-2016-5517947.php
http://www.ouest-france.fr/politique/revision-constitutionnelle-valls-tente-de-convaincre-lassemblee-4018380
http://www.liberation.fr/france/2016/02/05/constitution-la-droite-ne-dechoit-pas-la-gauche_1431415
http://www.ouest-france.fr/politique/revision-constitutionnelle-valls-tente-de-convaincre-lassemblee-4018380
http://www.lopinion.fr/video/texto/cecile-duflot-terrorisme-moyens-dont-nous-disposons-sont-suffisants-96282