2016年5月28日土曜日

サルコジの右派での人気は6位 世論調査で仏人の10人に8人が嫌った

(パリ=飛田正夫2016/05/28 8:16日本標準時 日本時間)フランス国民の10人に8人(78%)がサルコジの次の大統領選挙出馬を嫌っている。サルコジ支持母体の「共和党」(LC)内部の右派でも65%、中道右派では45%が2017年の仏大統領選挙にはサルコジの出馬は反対だとの世論調査の結果がでていた。サルコジに投票すると答えた人は17%しかいなかった。無回答は11%であった。右派全体ではトップ人気はボルドー市長のアラン・ジュッペ仏元首相(LC)で45%。2位はフランソワ・フィヨン元首相(LC)で29%。3位がフランソワ・バイルのモデム MD(民主運動党)議長25%。4位がマリーヌ・ペンの極右派系国民戦線(FN)25%。5位がブルノ・ル・メール元漁業大臣(LC)。6位がサルコジ前大統領(LC)の17%だった。統計は、リベラション紙(5月23日)の為に、ヴィアボイス(Viavoice)世論調査会社が5月13日から16日にかけて1004人の18歳以上のフランス人をサンプルにして調べたもの。

右派内での2017年の仏大統領選挙のLC内代表者を決める予選選挙(プリメール)は、しばしば競馬のイメージの絵が民法テレビiTéléでは報道されていて、いつでもサルコジはボルドー市長のアラン・ジュッペ仏元首相の直後を走っている馬に跨って、2番手として他の馬を引き離して描かれている。本当の順位は相当前から下がっていて、今回の世論調査の結果では6位なのだが、2位になって描かれている。こういうメディアの報道の仕方は、競馬の順位がいつも同じ様に見えるわけで、番付詐欺的な印象を与える。

フランスのラジオやテレビのチャンネルのスイッチを入れるとこの国にはニコラという名前しかないのかと思うほど、ニコラの名前が毎回のようにメディアに飛び出してきて、そこで何回でもニコラ、ニコラとアナウンサーは宣伝している。その不思議さにはもう飽き飽きしていたが、今夜はニコラのシャンソンまで出たが、このニコラをフランス人が最も嫌っているという世論調査の結果が出てしまていた。27日の夜の民法テレビiTéléで、ジャーナリストや世論調査会社から5人がスタジオに集まってサルコジだけに関し話した番組があった。

またや、サルコジの持ち上げ番組かと思ってながめていたら、長い番組の一番最後になってから、2017年の仏大統領選挙のサルコジが自分が散々に汚した国民運動連合UMPの名前を嫌って改名した「共和党」(LC)内代表予選選挙(プリメール)には、つまり大統領選挙候補にサルコジの出馬を希望してないというフランス人が、10人に8人もいると説明された。サルコの宣伝ばっかりやった後に、世論調査の結果を隠していて最後の最後にやっと発表するとは驚きである。

メディア全部を見てないが、これは殆ど隠くれたニュースではないだろうか。ようやく、メディアも世論調査の結果を重視し始めてきたようである。今後は、フランス国営放送テレビA2や国営ラジオ・フランス・アンフォなどの大メディアも、安易なサルコジ持ち上げを控えるように変化してくるだろう。

【参考記事】

http://www.challenges.fr/politique/les-republicains/20160527.CHA9794/les-francais-ne-veulent-toujours-pas-du-retour-de-sarkozy.html

http://www.lexpress.fr/actualites/1/politique/pres-de-8-francais-sur-10-ne-souhaitent-pas-que-sarkozy-soit-candidat-en-2017_1796529.html

http://www.ouest-france.fr/politique/nicolas-sarkosy/sarkozy-72-des-francais-ne-souhaitent-pas-quil-se-presente-en-2017-4244836