2016年6月12日日曜日

マルセイユで英国とロシアの応援団が衝突 サッカーユーロ杯にフーリガン

(パリ=飛田正夫6/12/2016 4:00:03 日本時間)サッカー欧州選手権(ユーロ杯)の二日目はロシアと英国が開催国フランスのマルセイユで午後21時から対戦し、1対1で引き分けになった。試合の前後で両国の応援団100人ほどがマルセイユ市内で激しい衝突をして機動隊の放水車などが介入。35人程が負傷し4人が重傷。1人が瀕死の状態だ。8人が取り調べを受けた。今後のユーロ杯の行方が心配されている。フーリガンを専門としたジャーナリストのフィリップ・ブロサー氏は10日朝の国営ラジオ・フランス・アンフォに出演して意見を述べている。ブロサー氏は、フーリガンと応援団との違いに答えて、この二つの境界を分けるのは非常に難しいがとしながらも、フーリガンは暴動や戦闘を目的に集まるもので、確かにサッカーに熱心だが最優先が対抗チームへの暴力にある。しかし70年から90年代のフーリガンとは異なっていて、フーリガンは特殊化された技術を訓練していて、フーリガンに呼応して同調する誘引された応援団が暴動化する動きがみられるのだと、英国ではフーリガン熱は既に下がっているが今回の状況を見るとかなり訓練され準備されたものだと、大変に興味ある発言をした。

1998年のサッカー世界選手権ではマルセイユは市内が英国の応援団で埋まり、フーリガンが一種の連帯観で誘引する暴動で40人も負傷し大きな被害にあっていることがあり、マルセイユ市民も英国の応援団もこの事件を記憶に刻んでいて忘れなかったはずだし、マルセイユ市民はオート・デファンスもできただろうと言う。ロシアはといえば中央ヨーロッパと異なりフーリガンは一般にも余り知られてないと言っている。その辺に今回の事件の責任があるのだと思うと話した。

フィリップ・ブロサー氏はこのフーリガン暴動の管理は非常に難しく、今回のようにマルセイユに飛行機で前日にやってくるしパスポートのコントロールも簡単ではない。逮捕を恐れて国外に既に逃げた者もいるだろうと言っている。開催時間が夜る遅かったことや、アルコール飲料が禁止されてなかったことも問題だろうとも指摘されている。