ドイツ南部のバイエルン地方のみを選挙母体とする保守派の「キリスト教社会同盟」(CSU)は、来年9月の独総裁選挙で反イスラム・反移民・反欧州・反ユーロを掲げるポピュリスト保守陣営の「ドイツのための選択肢」(AfD)が大躍進することを怖れていて、メルケル独首相の大判振る舞いの難民受け入れ対策に批判的になっていた。メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU)とのこれまでの連合に亀裂が生じることが危惧されていた。
バイエルン州の地方選挙は2018年秋だが、世論調査会社ではCSUは44%の票を獲得し、極右翼政党AfDは9%となっている。
メルケル独首相の難民受け入れ政策については、メルケルの総裁四期を決める来年の大統領選挙への出馬声明は、12月5日から7日にかけてエッセンで開催予定のキリスト教民主同盟(CDU)大会で発表されると見られている。
CSUでは、最近はメルケルの難民政策を批判している。毎年上限20万人の難民受け入れ表明をメルケルがしていることで、CDUとの与党連合の為だとして、この批判を和らげて受け入れる必要はないとする見方が強まってきていた。その中には、AfDへ投票しようと考えを変えている「キリスト教社会同盟」(CSU)の青年党員のルポルタージュもある。
「ドイツのための選択肢」(AfD)は創立以来まだ3年だが、世論調査では次期大統領選挙では12%を獲得すると見られる大躍進である。そこには民主主義を離れてでも、極右派政党に投票するなにかがあるのだろう。それは自分の身を難民に置き換えての貧困化する恐怖なのかもしれない。その国民の動きをメルケルは一早く察したということか。