2017年9月2日土曜日

マクロンがエリゼ官邸スポークスマンにジャーナリストを任命 第4権力の危機なのか

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎02/‎09/‎2017‎‎-01:52)マクロン仏大統領がヌーベル・オブセルヴァトワー誌系列の雑誌チャレンジャーの論説委員で元フランス・テレビ局のジャーナリストのブルノ・ロジェ・プチ氏(54歳)を、9月1日から大統領の顧問として官邸エリゼ宮殿のスポークスマンに任命したことで、政治が第4の権力ジャーナリズムへ介入しているのではないかという危機感で騒がれている。フランスではこのジャーナリストと政治の関係は古くからある問題だ。シラクもサルコジも大統領官邸スポークスマンというのはいたが、サルコジはこのポストを廃止していた。

マクロンの場合にはコミニュカションの問題というよりは政治の問題でフランス人と大統領との関係なのだという意見もある。ブルノ・ロジェ・プチ氏はエリゼ大統領官邸から大統領のツイッターなどで出来る限りの方法を使っての公報に従事するのが任務だ。政府スポークスマンのクリストフ・カスタニエー(Christophe Castaner)氏は、マクロン大統領はジャーナリストの言語コードの解るスポークスマンを欲していたと説明している。

このコミニュカションの問題ではオランド仏大統領はうまく行っていなかった。サルコジが国営放送の総局長などを任命してメディア対策をしていたが、その圧力を蹴って辞任したり辞めさせられたジャーナリストもいる。その為にサルコジとメディの関係ではサルコジ贔屓のメディアは多かったはずで、今もその余波が続いている。

マクロン政権下で、フランス国営放送テレビA2の一番手アナウンサーを長年続けたダビッド・プジャダスが辞めさせられた理由はよくわかってないが、そこにもジャーナリストとサルコジなどとの政治の関係があると見られる。マクロンは米国では一般化しているジャーナリストを抱きかかえたコミニュカションを欲しているとメディアは見て、これを心配する立場も多い。しかし、ジャーナリストが政治家になるのではなく、シラク政権下で元首相を務めたジャン・ピエール・ラファランやサルコジ政権下で健康相を務めたロズリーヌ・バッシュローがテレビの政治解説者になっている。この政治家がジャーナリスト化する傾向が最近目立っていて、これも心配されている。

【参考記事】
http://www.leparisien.fr/politique/le-journaliste-bruno-roger-petit-nomme-porte-parole-de-l-elysee-29-08-2017-7220718.php
http://www.sudouest.fr/2017/08/30/emmanuel-macron-voulait-un-porte-parole-depuis-le-debut-3734200-710.php
http://www.rfi.fr/france/20170829-emmanuel-macron-nomme-journaliste-bruno-roger-petit-porte-parole-elyseehttp://www.rfi.fr/france/20170829-emmanuel-macron-nomme-journaliste-bruno-roger-petit-porte-parole-elysee
http://www.bfmtv.com/mediaplayer/video/emmanuel-macron-muscle-sa-com-en-nommant-le-journaliste-bruno-roger-petit-porte-parole-975833.html
http://www.leparisien.fr/culture-loisirs/tv/le-retour-de-jean-pierre-raffarin-comme-chroniqueur-sur-france-2-22-08-2017-7207431.php