5日夜、ルモンド紙などメデアを前にして緑の党(Verts)欧州議会共同議長のダニエル・コーン-ベンディット(愛称「ダニー」)氏は2012年のフランス大統領選挙に触れて「ニコラ・サルコジと対決するのはドミニック・ストラスカン(IMF国際通貨基金総裁でフランス元社会党経済相、「DSK」と愛称)であるほうがセゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補らと比較して興味が持てる」と発言。また社会党右派の[DSK」を「修正社会民主主義者」と見立てた。同氏はサルコジに勝つには左右両陣営から支持を得られる人物が必要だと見ている。「左派でいることよりも勝つことを選ぶべきだ」として、「DSK」なら右派陣営への食い込みが期待できると見ている。サルコジ大統領は最近の世論調査では支持率が24%とこれまでの最低を記録していて人気がない。(※)
5日昼のテレビに出演したフランソワ・オランド仏社会党前書記長は、反サルコジを合唱しなくても大統領はすでに十分弱っていることは誰の目にも承知の事実であると話し、前社会党議員ジャンルック・メランションの左派党(Parti de gauche)の動きをけん制した。
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フランスの大統領選挙は2012年だがすでにサルコジ陣営の選挙体制はスタートを切っていて11月15日発足の第三次フィヨン改造内閣もそれに向けての再編成であったといわれている。サルコジ氏の立候補に口を挟むものは総て辞めていなくなっているといわれていた。
エルベ・モラン前国防大臣やジャンルイ・ボーロー前環境相も立候補すると見られる。ド・ビルパン前首相や民主運動(モデム)のバイル議長も立候補するために予選では右派内での票の分散が予想される。これはサルコジ氏にとっては好都合で、できるだけ票を分散しておいて、極右フロンナショナルのマリーンヌ・ル・ペンの票と共に最終投票でまとめて巻き返しをはかりたいと考えているようだ。
30日、ロワイヤル氏は社会党の候補希望者が来春までに全員出揃ってから議論を交わして秋に代表を決定していたのでは、党を結束させる十分な時間がないという危機感から出馬を名乗り出た。これを先走りだとして社会党内に波風を立てる者として批判するメディアの動きもあった。が、オブリ社会党書記長は「セゴレーヌ氏の行動を尊重したいと発言」し、自らも「秋ではなくて春頃には代表者を決めたい」と発表している。
30日夕刻、サルコジ大統領は国民運動連合(UMP)の30名ほどの側近を大統領官邸エリゼ宮殿に集め「自分がここにいるのは何のためか知っているだろう・・・それは第二期をやるためだ」と出馬を再確認した。「その後は優雅な生活」に入るのだと出席した議員がフランス通信(AFP)の記者に述べている。
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