2011年1月27日木曜日

仏の在チュニジア大使解任を機に チュニジア民主化に逆行の仏政府に批判の声

26日朝のフランス政府の発表で、フランスの在チュニジア大使がピエール・メナー氏からサルコジ大統領よりのボリス・ボワロン氏に変わったことがわかった。これは1月14日のチュニジアのベンアリ前大統領の亡命で、事前にチュニジアの政情をつかめてなかったメナー大使への責任を要求したかたちで解任となったようだ。このことで仏政府の態度をチュニジアの人々から厳しく批判されているとフランスのメディアは伝えている。フランス政府は民主化を求めているチュニジア民衆を支援する態度さえなかったと指摘された。

チュニジアの政情変化はベンアリが国外亡命をはかる1月14日以前に、何度か仏大統領官邸エリゼ宮殿や仏外務省に、軍隊やフランス対外情報治安総局(DGSE)などによって報告されていたという。しかし政府や外務省は聞く耳がなかったのだとフランスのメディアは伝えている。


ベンアリがチュニジアを脱出したのは1月14日日だった。フランスではチュニジアの警察国家の人権抑圧で市民が苦しんでいるのに何故友好国のフランス政府は長い間沈黙しているのかとの批判が野党や人権擁護団体などから指摘されていた。

それに初めて答えたのが政府スポークスマンであるフランソワ・バロワン仏財務大臣である。バロワン氏は1月11日「チュニジアは、旧フランスの保護領でフランスと共有する歴史と友好関係がある。(これに)行き過ぎた口出しの干渉などするというのは、フランス外交の大筋を外れたことである」と宣言した。

フランス政府の重鎮であるミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元国防相、MAM)は1月11日に「チュニジア警察にフランスの治安取締りの腕前を伝授して、世界にしらしめる」と、チュニジアの市民を弾圧しているベンアリ専制政治の暴力機構であるチュニジア警察を支援する発言をしている。これがオリビエ・ブザンスノ反資本主義新党(NPA)やフランステレビのチュニジア人ジャーナリストの目にとまって批判が大きくなったことは既に報告した通りである。

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