2011年5月8日日曜日

モデムのバイル議長 仏サッカー問題はフランス「混合社会」の「逸脱の指標」と発言

5月8日朝のラジオ放送報道局のヨーロッパ1に出演した民主運動(モデム)のフランソワ・バイル議長はフランスサッカー代表選手の選考者であるローラン・ブラン監督の周辺で騒がれていた黒人やアラブ人のサッカー・クラブや選手養成所への加入定員数割り当て問題に発言した。

バイル議長は「フランスのどこのサッカー練習場でも、行けばわかることだが実に多様な人たちがいる。子供から大人まで人種差別的な行為はみられない」と話し、ローラン・ブラン監督は人種差別主義者ではないと弁護している。バイル議長は「加入定員数割り当て問題」をそのような混合社会の分断化の一兆候として捉えて見逃さない。

しかし定員数割り当てに関しては、「宗教や名前や肌の色や出身国によって差別されてはならない」と発言した。

そして「我々は悪い方向へと進んでいて、このサッカーの問題こそはフランス社会における幾つかの重要な逸脱の指標となっている」と発言した。

「サッカーは一番多様な人種が集まっているスポーツであるはずなのに、それを人種差別して分断を計ろうとするようなことがあってはならない」と発言した。人種差別や移民政策がフランス国民の右傾化を煽ってきたと批判を込めているようだ。

バイルは人種差別論議へと閉塞してゆくフランスの現状を心配し、サルコジの政治をも批判しているところが2012年の大統領選挙を準備する他の右派政治家であるジャンルイ・ボルロー前エコロジー・持続的開発相(環境相)やエルベ・モラン前国防大臣らとの違いである。

バイルのフランス社会への親愛と政治家としての社会認識の視覚の幅の広いことを見せた発言となった。