2013年11月12日火曜日

サルコジ大統領による「フランステレビ総局長任命」に、民主主義の疑問

5日ニコラ・サルコジ仏大統領が直接、公共視聴覚メディアのフランステレビ総局長に、レミー・プフリムリン氏(60)を任命したことで、政府のメディア支配が問題になっている。サルコジ大統領は「私は簡単なシステムの民主主義の擁護者だ」という。例えばそれは、「執行部によるフランステレビ総局長の任命」なのだといって、人々を驚愕させた。(本文の初出 /公開日時: 2010年7月7日 @ 19:06   )

仏社会党のパトリス・ブロッシュ議員は「レミー・プフリムリン氏をサルコジ大統領が任命したので、エリゼ宮殿の命令に従うテレビだ」といっている。こういうサルコジ大統領のメデア支配を多くのジャーナリストが心配している。

フランスのテレビ局は国営がほとんどで、民放テレビ局はTF1があるが、これは政府寄りの報道姿勢で有名だ。

フランステレビ局のパトリック・ド・カロリス現総局長など多くの人々を前にして演説したサルコジ大統領自身の2008年1月8日の演説が、7月5日夜のフランス国営放送・テレビA2で流れた。

それは、「執行部による初のフランステレビ総局長の任命である」と誇らしげに宣言して両手を演壇の前で広げてみせたサルコジ大統領の姿である。そこでは、(周囲の反応の様子が不思議に思えたのか)聴衆の顔を覗いて、どうも納得がいかないサルコジ大統領は左右を上目でゆっくりと見回して、しばし唖然として口を半開きにしている不思議な影像なのだ。

このA2で使われた映像は2年半前のものだが、その頃は自身のやっていることの意味を理解してなかったのかもしれない。今回の任命は記者会見もなく密かにおこなわれたのだと報道された。

この突然の任命で、以前からフランステレビジョン局長の候補に上がっていたサルコジ大統領寄りだとされる民営放送局TF1のアレクサンドル・ボンパー社長(37)は寝耳に水で退く事になった。


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