以下のようにRSF ルポルター・サン・フロンチェー（国境なき記者団）のジャン－フランソワ・ジュリアー総書記長から、英国のケネス・クラーク国家書記官（司法担当）へ請願書がだされました。RSFの公式サイトに発表された記事名は、「ジュリアン・アサンジの逮捕後、英国に公正な裁判を請願」というものです。
RSF はNGO非政府組織で、ロベール・メナー氏が１９８５年に創設した新聞出版の自由を擁護する組織で本部はパリにあるがジャーナリストや著述家の自由な表現を抑圧する世界的な監視組織で、｢自由な新聞がなければ、どんな闘いも理解されない｣を信条としている。
メナー氏の雄弁はテレビで毎回話題になっていて有名であった。北京オリンピックの聖火リレーでは人権、報道の自由を訴えて、RSFの「手錠五輪」のロゴマーク旗をギリシャの聖火リレーのスタート時に繰り広げて有名になった人だ。ノートルダムの屋上やパリ市庁舎の窓にも「手錠五輪」の旗はぶら下げられた。
同組織の運営の５８％は出版物の売り上げによるが、メンバーの参加費が９％、私的な基金からの支援が２４％となどとなっている。
http://fr.rsf.org/garanties-juridiques-appel-a-l-07-12-2010,38975.html
Kenneth Clark QC MP
Secrétaire d'Etat à la Justice
Ministère de la Justice
102 Petty France
London
SW1H 9AJ
United Kingdom
DX152380 Westminster 8
パリ、２０１０年１２月７日
国務長官殿
ルポルター・サン・フロンチェー（RSF、国境なき記者団）はウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ氏が英国警察に逮捕されたことで、この事件の周囲を支配する極度に緊迫した状況のなかで貴殿に弁護権を尊厳する保障を請願いたします。訴訟は特にアサンジ氏のスウェーデンでの私的な次元での起訴であって、いかなる場合でもウィキリークスの発行に関わる裁判ではありません。
アサンジ氏は今後は判事の前に出頭し、判事によりスウェーデンへ引き渡されて、そして拘留になるかあるいは釈放されるべきであります。
もし仮釈放される場合には、拘留を避けるために少なくとも保釈金１２万ユーロ（約1400万円）と６人の保証人を立てなければならない。
アサンジ氏の弁護士の１人のマルク・ステェファン氏が１２月４日、ＲＳＦ に発言したところでは、アサンジ氏の取り扱いが特別な対象にならなければ、一般的には国際逮捕状の最終発行と英国警察によるその受け取りとの間で、およそ１０日ほど待たなければならない。
アサンジ氏は自ら警察に出向いたのであり、その善意の行為は事件の審議では考慮されるべきであります。
ウィキリークスが政治的圧力とサイバー攻撃で数度にわたる凍結にあったことに、ＲＳＦ は何度も抗議しました。
みんなに何でも隠さずに知らせるという使命を備え持つ国際的規模のサイトへの検閲という目論見を、我々は初めて確認することになったのです。
したがって我々は、アサンジ氏の件に関しては、外国の政府関係の圧力を排除した全く偏見のない検証を英国裁判所に要求したい。
いくつかの国の当局者はアサンジ氏の有罪判決を確定したがっていると思われます。あるいは少なくとも、同氏の今後の活動を阻止し、報道・伝達の自由を無視して、ウィキリークスの暴露に終止符を打とうとしているように思えます。
我々はウィキリークスが有益な仕事をしたと考えます。それは最近の１０年間に対テロリズムの名の下に重大な人権侵害がなされてきたことを公衆のもとに知らしめたからであります。
貴殿に我々の懇願所を謹んで申請いたします。
国務長官殿
敬具
ジャン－フランソワ・ジュリアー
RSF ルポルター・サン・フロンチェー事務総長
