2010年12月10日金曜日

パリ労働裁判所が仏ラジオ国営放送局を有罪判決 ユーモリストのギィヨン氏に2500万円の賠償金

1月28日、フランス・ラジオ国営放送局がパリ労働裁判所から有罪の判決が出た。これは風刺家でユーモリストのステファン・ギィヨン氏を何の正当な理由もなく解雇したことが問われていたもので、賠償金など総額21万ユーロ(約2500万円)が請求された。ギィヨン氏は2010年6月23日に解雇されているが、これは同氏を嫌っていたサルコジ大統領が任命したフランス・ラジオ総局長ジャン・ルック・ヘス氏によってであった。ギィヨン氏はヘス氏らがサルコジ大統領に忠誠を示す証しとして解雇したのだと見ている。今回の判決はギィヨン氏にとってはサルコジ大統領に勝利したことを意味している。

ギィヨン氏はフランス・ラジオ国営放送局を構成するその1つである「フランス・アンテール France Intere」の朝の番組を週3回持っていた。そこでは招待客に辛らつな言葉で対応するので知られていて、2010年3月にはエリック・ベッソン移民省大臣を「モグラ」だと表現したりしていた。2010年5月末に、虚構の上でだが、ドミニック・ドゥ・ビルパン前首相に繰り返すように勧めた言葉「私はサルコをソドミゼする」というのが問題になって、この数日後にフランス・ラジオ国営放送はギィヨン氏を解雇した。これがフランス・アンテール や野党で大問題になって数ヶ月にわたって大きく騒がれてきた。

ルモンド紙によると、ギィヨン氏はこのことで「もし、私が大統領をソドミゼするといったとしたら、それは忠告である。しかし、もし私が、大統領をソドミゼするといって、大統領が白眼をむいたのなら、それは肉体的な攻撃で、これは二番目の忠告だ!」 と述べ、放送局のトップはサルコジに忠誠を示したのだと結(けつ)論しているとルモンド紙も辛らつな表現で書いている。