2011年1月29日土曜日

エジプトのムバラク大統領 携帯電話やネット回線網を「遮断・封鎖」 国内の弾圧が不透明に クリントン米国務長官も心配

1月28日、エジプトでのインターネットや携帯電話回線が遮断され外国との情報連絡が封鎖されていることでエジプト国内の動きが不透明になっていると心配されている。ヒラリー・クリントン米国務長官はこのことで発言し、エジプト政府がインターネットやフェースブックを封鎖して情報の自由を閉ざさないよう、また暴力の回避をして基本的人権が尊厳されるよう望んでいるといっている。人口の最も密集している首都のカイロと地中海のアレクサンドリアとの間では政府がインターネットや電話回線網を封鎖させているという。エジプト政府のやっている市民のデモへの弾圧が不鮮明で不透明な闇の中に隠されてきている。

チュニジア革命の影響がエジプトへ飛び火した。ベンアリ前チュニジア大統領と同様にエジプトのムハンマド・ホスニ・ムバラク大統領の1981年以来30年間に及ぶ独裁政権を終わらせ国外に出ていかせようとする市民の抗議の動きが25日に起きてから4日目を迎えた。デモの勢いは収まることなく各地で数千人もの人が街頭に繰り出して警察と衝突している。市民は28日になって「ムバラク打倒」の看板を掲げ野次を叫ぶようになっている。警察側は催涙ガスやゴム弾、水鉄砲を使ってデモを蹴散らしている。昼近くデモの2人が殺害された。カイロでは警察署が2ヶ所焼かれた。スエズでもデモの1人が殺害された。これでこの4日間で8人目の死亡者となったと報道されている。

外国人ジャーナリストへの警察の路上尋問がいくつか確認されている。フランス人ジャーナリスト4人がエジプト警察に逮捕されたという情報があるが、これに関してはベルナール・バレオ仏外務省スポークスマンは確認ができ次第すぐに解放を要求すると発言している。

28日、エジプトの首都カイロ、地中海のアレクサンドリア、デルタ地帯のスエズではムバラク大統領によって外出禁止令が発せられた。しかし市民はそれも聞かずに、デモに参加しているとフランスのメディアでは伝えられている。

チュニジアのベンアリ前大統領が1月14日に亡命を企てたのは、14日以前に軍部の幹部がベンアリ政権から乖離する動きがあって、これが民衆の革命の推進を精神的に支えたと考えられる。が、エジプトの場合はもうすこし国連や国際社会からのモバラク独裁を批判する追い詰めがない限りは軍隊は民衆への弾圧を止めないのではないだろうか。

今後民衆への弾圧が、国外へ情報が漏れないように閉ざされ遮断された闇の中で行われるとすると、それは凄惨な闘争が十分に予想される。